CASE STUDY 導入事例

IDEyeのセキュリティ環境だから、業務効率化も在宅勤務率アップも実現できた。

株式会社 セゾン情報システムズ様

コロナ禍をきっかけとしたビジネスの大変革のひとつに、急激とも言えるリモートワーク普及や、それに伴う業務効率化推進が挙げられます。会議や押印など、これまでリモートですませるのは難しいと思われていた業務が次々とリモート対応していく様子や、帳票書類がオンラインで飛び交う様子に驚きを隠せなかった方も多いことでしょう。しかし、リモートで何でもできてしまう時代だからこそ、それに伴う情報セキュリティ対策が障壁となって、リモートワークの実施にまで至らなかったというケースもあるかもしれません。

今回は、当社の提供するクラウドシステムとスマートグラスによる遠隔作業支援サービス「IDEye」を、自社のデータセンターへ導入された企業様にお話を伺いました。

今回インタビューにご協力いただいたのは、「株式会社 セゾン情報システムズ」様です。インタビューでは、カスタマーサクセスセンター カスタマーサービス部 ITコンシェルジュチームでチーム長を務める上杉様、和田様に登場いただきました。誰もが知る大手企業のシステムを支えるデータセンター。そのマシンオペレーションの運用管理を担う上杉様、和田様に、IDEyeを導入されたきっかけ、導入前後のご様子、今後の展望など、詳しくお話を伺いました。

 

データセンターにいる作業者へ、IDEye経由で作業内容を指示

――貴社の事業内容と、皆様が携わっている事業やご担当内容について伺えますか。

上杉様:弊社には大きく4つの事業がございます。ひとつは自社パッケージ製品「HULFT」の販売などを手掛ける部門、もうひとつは大手流通業のシステムを担当している流通IT部門、データ連携サービスを提供するリンケージ部門、そして金融業のシステムを担当しているフィナンシャルIT部門です。私たちカスタマーサクセスセンター部門は、その4事業群のデータセンターという形で、インフラの基盤を管理運用しています。

――IDEyeはどういった形でご活用いただいているのでしょうか。

上杉様:データセンターは24時間365日休みなく稼働していますから、サーバーなどの機器類が正常に作動しているかを確認する、異常が発生している場合はそれに対応する……といったさまざまなオペレーションが発生します。そこで、データセンターではオペレーターと呼ばれる作業者の方にスマートグラスを着用していただき、我々は確認者として、IDEye上でスマートグラスから送られてきた映像や音声を確認しながら、作業の指示を出すといった使い方をしています。

――IDEye導入前はどのように指示や作業をされていたのですか。

上杉様:従来は「確認者と作業者の両方が現場のデータセンターに入り、横に並んで確認をする」スタイルでした。しかしコロナ禍をきっかけに、人が集まるのを避けるため、またリモートワークにも対応できるように「確認者はデータセンターとは別の場所にいて、音声通話で作業者とコミュニケーションを取り、指示を出す」スタイルへ移行しました。

例えば、作業者が「今、この機器の○○と書かれたランプが赤色で点滅しています」と口頭で報告する内容だけを頼りに、確認者は「〇番のケーブルを抜いてください」、「電源を落としてください」などといった具体的な指示を出さなければならないのです。

――「現場で見て確認」から「音声通話で口頭だけ」となると、かなりギャップが大きいですね。

上杉様:はい。しかも、ひとつ間違うと二次障害につながりかねないリスクの高い作業方法ですから、作業者は目の前の状況を正確に報告するために言葉を選ぶ必要がありますし、確認者も的確に状況を把握しようと神経をとがらせる必要がありました。正直なところ、双方にとって負担が大きいやり方でしたね。

 

高いセキュリティ機能と導入の簡易さが決め手に

――音声通話でのコミュニケーションに代わる手段として、数あるソリューションのなかから当社のIDEyeを選ばれた理由は何でしょうか。

和田様:まず作業者のために、両手が空くスマートグラスを利用するシステムがよいだろうということになりました。当初、社内には既に他社のスマートグラスがあったのですが、利用者を制限する機能に不安があり、こちらの業務への採用には至らなかったのです。

上杉様:データセンターですので、セキュリティ環境は特に重視しなければなりません。ユーザーIDの管理がしっかりしているか、監査の際に提示できるようなスマートグラスの利用履歴を取れるかというのは重要なポイントでした。かといって、我々自身がそういった環境を構築する時間はかけていられません。

和田様:IDEyeはクラウドサービスとデバイスがセットになったシステムなので、こちらで細かいセキュリティ環境を構築する必要ありませんでした。システム側にもスマートグラス側にも二要素認証を採用していて、利用履歴も取れる。つまり、すぐに使い始められる点が導入の決め手になりました。

 

IDEyeの導入で作業者と確認者、双方にとって安全・安心な環境へ

――データセンターでオペレーションを担当される作業者の方々の反応はいかがでしたか。

和田様:トライアルでスマートグラスの実機を貸し出していただけたので、実際の環境で検証しながら慣れていけたのが良かったです。

上杉様:音声コントロール機能は作業者にも評判がいいですよ。機器を操作しながら、音声でカメラのピントを合わせるといったような使い方ができて、とても便利だと聞いています。セキュリティ面など高機能でありながら、ユーザーに高度なIT知識がないと使いこなせないといったこともないので、ありがたいですね。

――音声通話で細かく説明をしていた状況と比べると、作業時間もかなり削減できているのではないですか。

上杉様:音声通話で長時間やりとりするような大きなトラブルは、そう頻繁には起きません。現在トライアルを始めてから半年、本格的に導入してからは3カ月程度ですので、まだIDEyeで対応した実例はないのですが、おそらくそういった際の作業時間は、音声通話の場合の半分ほどに減るだろうと見ています。

和田様:そもそも音声通話で時間がかかっていたのは、口頭でできる限り詳細な情報をやりとりして、「この作業内容で間違いない」という確証を引き出すためだったわけです。IDEyeであれば確認者が自分の目でカメラの映像を見てすぐ確実に指示できますから、時間だけでなく作業ミスのリスクも格段に減らせますよね。この、双方にとって「安全・安心」というのは何より大きいです。

――なるほど。まさに「百聞は一見に如かず」というわけですね。

 

在宅勤務率約70%の高い水準に、IDEyeの遠隔作業支援も貢献

――上杉様や和田様は現在、リモートワークを中心に勤務されているそうですね。

上杉様:はい。本業務に関わる弊社社員の在宅勤務率は70%ほどなのですが、これもIDEyeの導入がなければ、ここまで高い水準にならなかったと見ています。というのも、内規で「社員が立ち合う」と定めている作業や確認事項が多いので、これまではなかなかリモートワークを推進することができなかったのです。IDEyeが導入されたことで、そういった作業や確認事項にもリモートで立ち合うことができるようになり、出社の機会をかなり減らせました。

――貴社のリモートワーク推進にもIDEyeが貢献できたことを大変光栄に存じます。今後は、IDEyeをどのように活用していきたいとお考えですか。

上杉様:確認者としてIDEyeを使えるユーザーをもっと増やしたいと考えています。今は作業者と確認者、1対1での利用が中心ですが、例えば今後大規模な障害が発生した際に、有識者を含む複数の確認者がIDEyeで現場の様子を見て問題解決につなげるといった、いわゆる1対多の使い方も出てくるかもしれませんから。

――なるほど、より多くの目で見て判断するといった場面でも、貢献できそうで何よりです。ちなみに、障害対応以外の場面に応用することも考えていらっしゃいますか。

上杉様:そうですね。そういった活用法は現場から生まれてくると言いますか、あらかじめ想定していなかったようなところから「これもIDEyeで解決できるのではないか」という気づきが得られそうなので、現在の業務に限らず、さまざまな場面でIDEyeを試していくつもりです。

――活用の幅を広げるために、当社やIDEyeにどのようなことを期待されますか。

上杉様:現在の仕様でやりたいことは実現できている状況ですが、もし、IDEyeに機械学習的な機能が搭載されれば面白いなとは感じますね。例えば、機器類のランプの状態をIDEyeが識別して、どういった種類のアラートなのかといった情報を表示させることができたら、作業者や確認者の手間をさらに削減できそうです。

――現場から生まれるIDEyeの新たな活用法、楽しみにしております。また、IDEye自身からも気づきのヒントを生み出していけるよう、これからも商品開発とサポートに努めてまいります。本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

導入企業情報

社名 株式会社 セゾン情報システムズ
資本金 13億6,768万7,500円
社員数 714名(2021年3月末現在 連結)
事業内容 HULFTビジネス、データプラットフォームビジネス、流通ITサービスビジネス、フィナンシャルITサービスビジネス

弊社担当から


リモートワークが普及する世の中で、現場での立ち合いが欠かせなかったデータセンター業務における解決策として、IDEyeをご採用いただきました。セキュリティやネットワークなどのハードルが高い環境下での導入はクリアすべき課題も多く、ご担当者様と一緒になって何度もトライアルを重ね何とか導入に至ることができました。今後も、教育やリモートオペレーション支援の拡充など、当初の想定以上に幅広くお客様のデータセンターサービスでご活用いただけそうです。

デジタルソリューション営業部
内堀 美穂

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