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「RealWear HMT-1」スマートグラスレビュー(1)!便利な特徴について解説

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「RealWear HMT-1」スマートグラスレビュー(1)!便利な特徴について解説

サイバー・セキュリティ・ソリューション(CSS)部
エバンジェリスト 藤原 和紀


初めまして CSS 部エバンジェリストの藤原です。

本年 7 月よりエバンジェリストを拝命いたしました。今後、当コラムも担当いたしますので、宜しくお願いいたします。
さて、略歴ですが当社に新卒入社し 30 年を迎えます。その間にホスト機オペレーターや、開発、ネットワーク・サーバ監視等色々な業務を担当いたしましたが、 20 年ほど前に McAfee 製品の取り扱いを開始したのを皮切りに、セキュリティ業務一筋でやってまいりました。
現在は、セールスエンジニアとして、当社販売製品のプリセールスを行っています。

得意分野はセキュリティ全般とネットワーク、ハードウェア回りとなりますので、今回は当社取り扱い製品の1つである、RealWear 社の HMT-1 をレビューしたいと思います。


Realwear

RealWear HMT-1の特徴

RealWear社はUSのバンクーバーに本社を持つ、スマートグラスメーカーです。

本製品は、従来のコンセプトには無かった、ハードに働くタフワーカーたちをターゲットにした製品です。
工場向け製品では、日本でEPSONの BT-2000/2200シリーズが有名ですが、こちらと比較すると凄くタフな製品です。

特徴1. 防水・防塵・耐衝撃

BT-2000/2200はIP54ですが、HMT-1は IP66です。IP6x は防塵性能で、粉塵の侵入が完全に防護される事をあらわしています。

IPx6 は防水性能で、全方向から直接強く水をかけられても有害な影響を受けないということです。残念ながら水中で使用することまでは出来ませんが、陸上では防塵防水は完璧ということになります。

そして、コンクリートへの2m対落下衝撃テスト済みですので、落としても問題ありません。使用環境は-20°C to +50°Cとなっており、およそ人間の行動できる環境であれば使用できるということになります。実は、これは結構重要で夏場のコンクリート照り返しを受けると、これくらいの温度にはなってしまいますが、いままで対応する製品がほとんどありませんでした。

特徴2. バッテリー

バッテリーは 3250mAhもあるので、カタログ値では 9~10時間の連続使用が可能です。当社の実測では Wi-Fiが ONの状態で、連続して IDEye(遠隔作業支援システム )を使った場合でも 4時間程度は連続使用が可能です。

当製品は電池切れの対応も完璧で、なんとバッテリーのホットスワップに対応しています。この為、予備バッテリーを購入いただければ、かなりの連続使用が可能になります。(モバイルバッテリで給電しながらの使用も可能ですが、USB端子は防水防塵仕様になっていませんし、バッテリーの寿命も縮むので、使用はお勧めしません。 )

特徴3. 単眼ディスプレイ

今まで両眼の製品が多かったのですが、この製品の特徴はスカウターやGoogleGlassのように単眼であることです。

単眼のメリットは下記になります。

・眼鏡に干渉しない

眼鏡の方がスマートグラスやVRグラスを使うと、どうしても干渉したり曇ったりで長時間使用に難がありました。本機は見ての通りまったく干渉しません。

・使わないときはアームをずらしておける

アームをずらせは、全く視界に入らないようにすることもできますので、目が疲れません。

・リバーシブル設計

左右どちらでも使えるリバーシブル設計です。きき目や利用状況に併せて、ひっくり返せば自動で左右を認識します。

逆にデメリットですが、動画鑑賞やARのように没入間が必要なコンテンツは両眼式には敵いません。このあたりは、使い分けが大事です。

特徴4. WearHF(ハンズフリー)

もうひとつの特徴がWearHFによる、音声コマンド入力です。
工場などのうるさい環境でもノイズキャンセル機能により正確にコマンド入力されるように設計されています。この為、手が離せない高所作業などであっても問題なく操作が可能であり、認識率が結構高いので面白いです。
尚、メンテナンスなどの場合はBluetoothでマウスやキーボードにも接続可能ですので、細かい操作も問題ありません。

  スペック
OS Android 8.1.0 (AOSP) + WearHFハンズフリーインターフェイス
チップセット

Qualcomm Snapdragon 625(2.0 GHz 8-core)

(Adreno 506 GPU内蔵 )
メモリ 2 GB RAM / 16 GB 内蔵ストレージ
MicroSDスロット 1つ 最大 256 GB)
Bluetooth 4.1 LE(省電力)
Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac
GPS GPS, GLONASS, A-GPS
IMU(センサ) 加速度計、磁力計、ジャイロスコープ
バッテリー 3250 mAh Li-Ion充電地 (ホットスワップ可)
バッテリー寿命 9-10 時間
重量 430g
耐久性 IP66(防水、防塵), MIL-STD-810G 準拠 , 2 メータ落下衝撃テスト済み
入出力端子

3.5mmヘッドホン端子× 1
micro-USB× 1
USB Type-C× 1

ディスプレイ 0.33インチ LCD モニタ (視野角20 °)
解像度 : WVGA(854×480)
オーディオ マイク : アクティブノイズキャンセル機能を備えた 4 つのデジタルマイク
スピーカー : 内蔵 95dB スピーカー (モノラル)
カメラ 16万画素 4 軸光学手振れ補正 (LEDライト付き)
ビデオ : 最大 1080p @30fps
付属品 充電池、バッテリー充電器、USB Type-C 充電ケーブル、USB Type-C to USB アダプター、オーバーヘッドストラップ、リアヘッドパッド

 

ベンチマーク結果

ここではレビューの第一弾とし、ベンチマークを流してみました。

SoC は Snapdragon 625(MSM8953) ですので、 ARM Cortex A53 のオクタコア CPU になります。 Snapdragon 6xx はミドルクラスの位置づけで、スマホでは ZenFone 3 や HUAWEI nova に搭載されている SoC になります。

計測には Geekbench4 を使用しました。

  CPU
Single-Core Score
794
Crypt Score:626
 

Integer Score:891

  Floating Score:556
  Memory Score:972
Multi-Core Score
2697
Crypt Score:2481
  Integer Score:3030
  Floating Score:3155
  Memory Score:1315

 

Compute

SenderScript Score 2851

  Battery
Battery Score Estimate 2568

まとめ

いかがでしょうか。

参考値として ZenFone 3のCPU スコアは、Single-Core Score = 860 、Multi-Core Score = 4000 程度ですので、マルチコアのスコアがいまひとつ伸びていません。どうやらメモリが足を引っ張っているように見受けられます。

実際に使ってみると体感上はさほど遜色なく、少なくとも他社のAtom搭載機等と比較するとサクサク動作しています。

Batteryは2568とiPhoneX と同じくらいの数値です。 3時間後の容量は51%とまずまずの結果といえます。

さて如何でしょうか。まずは第一弾ということで、商品の特徴はご理解いただけたと思います。

次回は、もう少し詳細をレビューする予定ですので、ご期待ください。

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