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【エバンジェリスト・ボイス】2019年上期AWSのリリースノートを振り返る

サイバー・セキュリティ・ソリューション(CSS)部
エバンジェリスト 松岡 政之     matsuoka2_274x380

こんにちは。 CSS 部エバンジェリストの松岡です。

本題に入る前に久しぶりに少しだけ趣味(CPU)の話をさせてください。
AMDのRyzen発売を皮切りにデスクトップ向けCPUのコア数競争が過激になってきており、11月には16コア32スレッドのAMD Ryzen 3950Xの発売が予定されています。
一方インテルは来年初頭に第10世代Core iシリーズが予定されており、最上位のi9は10コア20スレッドになるようです。
ここで個人的に一番大きなニュースはi3が4コア8スレッドになるということです。4コア8スレッドといえばわずか3年前にはi7のスペックでした。
2008年から2017年の第8世代が発売するまで長らくメインストリームの最上位に君臨し続けた4コア8スレッドがついに普及帯まで降りてきたのは感慨深いものがあります。
これは2017年にいきなり8コア16スレッドのRyzenをメインストリームに投入し、2019年にはついにCore iシリーズにコア当たりの性能で肉薄し、マルチスレッド性能で大きく上回るRyzen 3000シリーズを投入したAMDにIntelも刺激された結果にほかならず、市場における競争の重要性を大きく感じさせる出来事です。
ちなみに、本題でも触れますがAWSでAMDのCPUを搭載したインスタンスの導入が着々と進んでおり、すでにいくつか利用できるインスタンスもあります。

さて、それでは本題です。
AWSは毎日複数の新機能をリリースしており非常に速いスピードで進化しています。
今回は私の下期初のコラムということで上期の振り返りを兼ねてAWSの上期のリリースノートをつまみ食いしていきたいと思います。
さて、まず最初に問題です!
AWSは2019年度上半期に何件のリリースノートを発表しているでしょうか?



それでは、回答発表です。
なんと 805件 です。(Release Notesの記事の件数)
どうでしょうか?思ったより多かったでしょうか?少なかったでしょうか?
私は多いと感じました。更新されるのは平日だけなので1日3件以上は何かしらリリースされているということになります。すごいですね。
ではその中から個人的に気になったものをいくつかピックアップして紹介したいと思います。

まず一つ目は4月9日の記事 「リコー、オフィス機器のサービスに Alexa for Business を採用」 です。
スマートスピーカーのAmazon Echoで使われているAlexaですが、正直家庭用スマートスピーカー以外での採用事例あまりピンとくる有名な事例は今まであまりなかったと思います。
(私の勉強不足なだけかもしれませんが)
そんな中、国内の企業がオフィスで使う複合機などの音声操作サービスとして採用したことは日本人として少し嬉しく感じますね。まずは米国からのサービス展開のようですが、日本国内にもサービスが展開されオフィスでの働き方が変わっていくことに期待します。

次に、4月24日発表の記事「Amazon EC2 T3a インスタンスの一般提供開始」です。
こちらは、CPUにIntel XeonではなくAMD EPYCを使用したインスタンスです(末尾にaがついたものがAMD EPYCを利用したインスタンスを指す)。この時点では米国など一部のリージョンだけですが、9月30日にはM5aやR5aなども含めて東京リージョンなどの多くのリージョンでの利用が可能になりました。
AWSでどのようにチューニングされているかまではわかりませんが、第1世代EPYCをXeonと比較した場合の特徴として以下のようなことが挙げられます。

・デメリット
① 1コア当たりの性能が低い
② 拡張命令のAVX2の演算において256bitを128bit×2に分割して行うため遅い
③ 拡張命令のAVX-512に非対応

・メリット
(a) コア当たりの価格が大幅に安い(64コアEPYCが約6500ドル、28コアXeonが約10000ドル)
(b) メモリのチャンネル数が多い(≒利用可能なメモリ帯域が広い)
ちなみにAWSではXeonのインスタンスに比べて約10%安い価格で利用できます。

さらに、①②のデメリットを解消した第2世代EPYCの導入についてもAWSは決定しているのでより高性能で安いインスタンスを使えるようになる日が近々来るかもしれません。楽しみですね。

続いて、6月24日発表の記事 「AWS Control Tower の一般提供を開始」 です。
AWS Control TowerはAWSでマルチアカウントを効率的に管理するための基盤を構築するLanding ZoneというCloudFormationのテンプレートで構成されたツールをフルマネージドサービスにしたものです。
AWSはマルチアカウントを使用することで組織でのAWSの利用をより効率的なものにできる反面、マルチアカウントを管理する上での課題も多くあります。
そのような課題がフルマネージドで解決できるようになればより組織での利用がしやすくなっていくと思います。
この発表の時点では米国のみでの一般提供でした。東京リージョンでの一般提供が始まるのが待ち遠しいですね。

次も同じく6月24日発表の記事 「Amazon FSx for Windows File Server により組織の自己管理型 Active Directory で直接ファイルシステムを使用できるようになりました」 です。
こちらはAmazon FSx for Windows File Serverを利用しようとしている方には衝撃的なニュースだったのではないでしょうか。ちなみに、Amazon FSx for Windows File ServerはフルマネージドのネイティブWindowsファイルシステムを提供するサービスです。
これまでは、AWS上のDirectory ServiceからAWS Managed Microsoft ADを構築してそのドメインを利用する形でしかFSxのファイルシステムを利用することができませんでした。FSxを利用する上で、このAWS Managed Microsoft ADの料金が割とバカにならないのが実情でした。
しかし、この発表からはオンプレADのドメインを利用してFSxを利用できるようになったため、マネージドADの料金分丸っと安く利用できるようになりました。

最後に、9月11日発表の記事 「Amazon VPC フローログにメタデータを追加」 です。
従来のVPCフローログではネットワークインタフェースIDやIPアドレス、ポート番号などの情報で通信のログが記録されていました。
この発表で個人的に一番大きな追加点はインスタンスIDが記録されるようになった点です。
正直、ネットワークインタフェースIDがわかってもそれがいったいどのインスタンスの通信なのか人の目ではすぐにわかりません。そのため、今まではコンソールからいちいち調べて自分で紐づける必要がありました。この手間が解消されただけでもVPCフローログがぐっと使いやすいものになったと思います。


ここまで、2019年度上半期のAWSリリースノートから個人的なピックアップをいくつか紹介してきましたが気になるものはありましたでしょうか。
このようにAWSは日々新機能をリリースし、より便利になっています。
AWSを利用していく中で、今日できなかったことが明日にはできるようになっているかもしれません。ぜひ皆様もリリースノートを見る癖をつけてみてはいかがでしょうか?
ちなみにリリースノートの日本語ページは英語ページより数日更新が遅いので最新情報を見たい場合は英語ページをお勧めします。

それではよいクラウドライフを!

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松岡 政之

株式会社インフォメーション・ディベロプメント 先端技術部 エバンジェリスト

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