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【エバンジェリスト・ボイス】ITエンジニアとしてのステップアップに!「データベーススペシャリスト」合格のコツ

先端技術部
エバンジェリスト 佐藤 久 


●テーマ選定にいたる経緯

お久しぶりです先端技術部の佐藤久です。昨年3月から開始した在宅勤務は、気付けば1年が経過いたしました。リモートに向いている業務もあれば、向いていない業務(工夫が必要)もあり試行錯誤の1年でありました。今回のテーマは違いますが、現在プロジェクト管理を担当している開発案件が完了後に整理してコラムなどでお話しする予定です。

今回のテーマは来月4月に実施される情報処理試験技術者試験につきまして、基本情報技術者試験、応用技術者試験を合格された方のステップアップとして、高度試験の取得を目指していただきたくデータベーススペシャリストをお勧めいたします。お勧めする理由と、試験対策を簡単に説明いたします。 

●高度試験で一番取得しやすい試験は

現行試験制度は以下の図1となっています。 コラム20210310_1_717x448【図1:引用*1】 現行試験制度

中央の「情報処理技術者」の中で、基本情報技術者試験(ITSSレベル2)、応用情報技術者試験(ITSSレベル3)の上に高度試験(ITSSレベル4)が並んでいます。高度試験の中で単純な取得のしやすさで言えば、「情報処理安全確保支援士試験(SC)」が一番だと考えます。合格率は高度の中では一番高い20%前後、論文問題が無い、幅広いセキュリティ知識は必要ですが応用技術者試験でもセキュリティ分野がありますので続けて受験するにも向いています。私も取得していますが、セキュリティのスペシャリストの方がいらっしゃるので、私からはあえてデータベーススペシャリスト試験(以下DB試験)をおすすめさせていただきたいです。

 

●DB試験をおすすめする理由

(1)様々な業種の業務やシステムの知識を得ることができる

客先常駐や担当業種が固定化すると知識が偏ってしまうこともあると思います。DB試験の午後問題はそれを少し改善してくれます。午後問題は、ある会社で業務やシステムに課題が発生して、それを解決するためにデータベース設計から見直すのが大まかな流れです。以下、午後Ⅱ試験だけですが過去10年間の業種とシステムを整理した表1をご参照ください。

コラム20210310‗2_1010x320

若干の偏りはありますが、業種やシステムを様々に変えて出題されています。試験問題は1問ごとに10ページ以上あり、業務概要やシステムで使用するデータなどについて割と詳しく書かれています。本物の案件資料では無いため、そのまま活用できるわけではありませんが、経験の無い業種やシステムを参考知識として持っておくと提案の幅が広がると考えます。逆に担当している業種やシステムが午後問題にあれば、基本的な考えの整理もできます。

 

(2)覚えることが比較的少ない
前項で取得しやすいと説明した「情報処理安全確保支援士試験(SC)」は、セキュリティについて幅広く覚える必要があり、かつ毎回新しいセキュリティ情報についての初出問題が出題されます。記憶力や最新セキュリティ情報の収集が必要になってきます。ネットワークスペシャリスト試験も関係性からセキュリティの問題が多く出るため、同様の対策が必要となってきます。

対してDB試験は基本的に覚えることは以下の3つになります。

①データモデリング(概念、論理、物理)

②デーベース管理システムの基本知識

SQL

1つ1つ掘り下げると覚えることは細分化されますが、それでも比較的少ないです。またこれら3つは多少の変化はありますが、大きく変わるものでは無いため一度覚えれば応用が効きます。多くを記憶することが苦手な方でも、データベース全般の理解力を深めれば回答できると考えます。

(3)業務に活用しやすい
上述した覚えるべき3つのDB知識は、開発案件に携わるSEは身に着けておいた方が良いと考えます。セキュリティやネットワークも重要ですが、案件によっては専門部署で対応や、すでに対応済の場合がありますが、DBSEが携わることが多いです。ゼロからデータモデリングすることは少ないかもしれませんが、既存のDBの設計上の問題点や改修時の注意点などを考慮して最適な対応をすることができます。データベース管理システムの機能を把握して活用すると、プログラムをシンプルにすることもできます。SQLはデータを扱う上でほぼ必須です。NoSQLデータベースも台頭してきていますが、データの整合性を保証できないなどの制約もあります。よって完全にNoSQLに置き換わることはなく用途で使い分けていく必要がありますので、SQLを使用したDBはしばらく無くならないと考えます。

また、SE以外でも管理部門や営業の方がデータベースモデリングやSQLを駆使してデータ活用ができると面白いと思います。各種業務でたくさんのデータが蓄積されていますが、それを整理することでDXに繋げていくことができると考えます。 

(4)論文問題が無い
DB試験、ネットワークスペシャリスト試験、情報処理安全確保支援士試験以外の高度試験では論文問題が出題されます。2時間で3600文字、最少でも2200文字を手書きする必要があります。現代では手書きをする習慣が減ってきているため、各種試験区分の学習だけではなく手書きの訓練も必要となるので、勉強効率が悪いと考えています。手書きの文章を書くのが得意な人には向いていると考えます。私が論文問題で合格した時は、何本か事前に論文を作って記憶しておき、問題に合わせて微調整して回答していきました。

●DBスペシャリストの試験対策

以下表2DB試験の内容となります。ほとんどの受験者にとって午後Ⅱが最難関で壁になりますので、午後Ⅱ対策に時間をかけて試験勉強をしていただきたいです。
コラム20210310_3_1587x491【表2:引用*2】試験時間・出題形式・出題数

 

(1)午前Ⅰと午前Ⅱの対策
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験と同様に過去問を繰り返し解いて、問題のパターンを覚えるのが早道です。直近5回分を解ければ問題無いと考えます。応用情報技術者試験や他の高度試験合格後2年間は午前Ⅰが免除されます。出題範囲の広い午前Ⅰの試験勉強の負荷が減りますし、当日の体力も温存できますので、続けての取得をおすすめいたします。

(2)午後Ⅰと午後Ⅱの事前対策
午後Ⅰと午後Ⅱも基本的には過去問題を解くことが基本になりますが、午前問題と違う点として以下を意識して勉強いただきたいです。

  • 問題のパターンを覚えるより、解き方を理解する

データモデリングは業種やシステムが違えば同じ解答なることは無いため、問題や解答を覚えるのではなく、なぜその答えになるのか解き方(プロセス)を理解することが重要です。その時必要になるのが、前述した3つの覚えることデータモデリング、デーベース管理システムの基本知識、SQLの知識になります。勉強はじめは、解き方が分からないかもしれませんが、知っている人に聞くのが一番です。私に問い合わせいただていても良いですし、ネットでも解説している人がいらっしゃいます。

②時間を計測して問題を解く

後述いたしますが、午後試験は時間が足りないため、時間配分が重要になります。解答できるだけではなく、時間通り解答できるかも意識してください。

 

(3)午後Ⅱの試験中の対策
①時間配分を意識する。
午後Ⅱ試験は特に時間が足りません。時間無制限であれば、解答できる人は多いと思いますが、2時間で10ページ以上の問題文を理解してデータモデリングするためには時間配分が重要になります。

(例)・設問把握、問題選定10

   ・問題文読み込み、設問に関係しそうな箇所をチェック30

   ・解答70

   ・見直し10

②問題選定は慎重に
午後Ⅱ試験は2つの問から1つを選択して回答します。業種は毎年違いますが、出題内容は問1がデータベース設計、問2が概念データモデリングとほぼ固定されています。SQLやテーブルの実装が得意な人は問1を、業務情報から概念データモデルを作成するのが得意な人は問2を選択すると良いと考えます。特異な業種で選択する方法もあります。しかし、注意すべき点として、特定の経験に基づく一般的な知識を問われる問題もあるので気をつけてください。例としては2020年度の問1の設問3の性能テスト、2016年度の設問2/3のデータ移行です。それぞれの経験が無いとスムーズに解答できないため注意ください。

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 ●まとめ

今回、データベーススペシャリスト試験をおすすめさせていただきました。応用情報を取得して安心するのではなく、ぜひ高度試験にもチャレンジください。次のDB試験は10月になりますので、期間としては十分すぎるほどあります。ご要望があれば、Webセミナーや集合研修も行っていきます。

【引用※すべて外部サイト】

*1試験区分一覧 現行の試験制度(平成29年度春期から)

*2情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士 4.試験時間・出題形式・出題数(解答数)

 


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佐藤 久

株式会社インフォメーション・ディベロプメント 先端技術部 エバンジェリスト

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