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サイバー・セキュリティ・ソリューション(CSS)部
エバンジェリスト 松岡 政之
こんにちは。 CSS 部エバンジェリストの松岡です。
長引いた残暑が終わり、寒さも増して急速に冬が近づいてきた感じがする今日この頃ですが、パソコン向け
CPU
業界は熱い展開が続いています。
10
月
19
日に
Intel Core
シリーズの第
9
世代がついに発売され、
AMD Ryzen
に続き
Intel
からも一般向けの
8
コア
CPU
が登場しました。
しかし、圧倒的な品薄(ダイの大型化による歩留まりの低下?
Intel
の次期製造プロセス開発の遅れによる現行プロセス
CPU
の供給不足?)で、肝心の
8
コアもモデルである
i9-9900K
等のパッケージ販売は延期に次ぐ延期になっているようです。
さて、今回は
Windows
のアップデートに関する話題です。
今回は技術的な話というより、
PC
は使うけれどあまり管理に気にかけていない方に読んでいただきたい内容です。
Windows 10 October 2018 Update
(
Ver 1809)
が米国時間
10
月
2
日に配信が開始されました。
しかし、
OS
をアップデートすると一部フォルダやファイルが削除されてしまうという問題があったため数日で配信は停止されました。
この問題で削除されてしまったのはドキュメントやピクチャーなどのユーザフォルダ内にデフォルトであるフォルダ配下のものです。
ただし、無条件で削除されてしまうというわけではなく、ドキュメントフォルダ等を他の場所にリダイレクトする設定をしており、かつ元のパス(
C:\User\
ユーザ名
\Documents
等)にファイルが残されている場合に、この残されたファイルが削除されてしまいます。
リダイレクトというのは例えばドキュメントの場合、デフォルトでは「
C:\User\
ユーザ名
\Documents
」配下にありますが、下図のようにドキュメントのプロパティから「移動」を実行することで違うパス(例えば
D
ドライブなど)をドキュメントとして利用できる機能です。
また、
OneDrive
でも同様にこれらのフォルダを
OneDrive
側に移動する機能がありますが、旧バージョンでは設定前のファイルが元のパスに残ってしまっていたようです。
(個人的にはこの
OneDrive
が傷口を広げてしまったような気がします)
削除されてしまった人(中には消えたファイルが数十
GB
に上る人も…
!?
)にとってはたまったものではありませんが、不幸中の幸いか条件が限定的だったため、多少盛り上がってはいますが世界中で大きく騒がれるほどの問題にはなっていないようです。
このような事態に対して我々ユーザはどのような対処ができるでしょうか。
もちろん、バグはないに越したことはありませんし、ユーザの立場からするとこのような事態は不満に思うでしょう。
しかしソフトウェアのバグというのはゼロにすることはできませんし、他のソフトウェアと複雑に影響しあって誤作動を起こす可能性も否定はできません。
もちろんバグを無条件に許しましょうというわけではないですが、ユーザ側でも大切なデータについては多少のことでは消失しないよう備えておくことも重要でしょう。
今回の問題に限って言えば、ほとんどの大企業では
WSUS
(
Windows Server Update Service
)によるパッチ管理を行っているため、問題が発覚する前にパッチを当ててしまったということはほぼないと思われます。
また、データについてはファイルサーバで集中的に管理しており、ローカルに保存することを禁止している企業も多いため、今回影響を受けたのは個人ユーザおよび
PC
の一括管理まで手が回っていない中小企業でしょうか。
仮にファイルサーバの内容が消えてしまっても(
Windows Update
でそんなことが起きれば大問題ですが)、ほとんどの大企業では適切にバックアップを取っているため、多少の手間はかかりますが復旧は容易でしょう。
このようにきちんと管理していれば、多少の問題では影響を受けない、または最小限に抑えることができます。
とはいえ、すべての環境でパッチを検証して適用するなどの管理は難しいのが実情です。
しかし、重要なデータは定期的にバックアップをするといった対策は個人でも簡単にできます。
バックアップサーバを用意する…とまではいかなくとも、
NAS
や外付け
HDD
なら個人でも気軽に準備することができるでしょう。
また、最近ではクラウドにバックアップするという選択肢もあります。
スマートフォンでは
iCloud
や
Google Drive
などクラウドバックアップを利用している方も多いのではないでしょうか。
私の場合は、家の
PC
についてはバックアップサーバに、スマートフォンについてはクラウドにバックアップをしています。
もちろんバックアップは今回のような問題だけでなく、「間違えてファイルを消してしまった!」「ランサムウェアに感染して暗号化されてしまった!」といった場合でも、何も対策をしていない場合に比べて復旧できる可能性がぐっと上がります。
皆様もぜひバックアップをとって安心な
PC
ライフをお送りください。
それでは次回のエントリーでまたお会いしましょう。
バックアップはいいぞ!
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