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【エバンジェリスト・ボイス】AWSの新サービス「Amazon FSx File Gateway」の性能やいかに!?

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先端技術部
エバンジェリスト 松岡 政之 matsuoka2_274x380

こんにちは。先端技術部の松岡です。

2年連続、緊急事態宣言下のゴールデンウィークでしたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はというと相変わらずオンラインでできる遊びに興じて引きこもっています。
引きこもり生活も特に苦にはならない気質ですが、それでも人と会って話したいことや、やりたいこともあるため、早い終息を願うばかりです。
国内でのワクチン接種も始まりましたので期待したいところですね。

Amazon FSx File Gatewayパフォーマンスの比較

それでは本題です。
2021年4月27日にAWSでAmazon FSx File Gatewayが発表されました。今までS3を対象としていたStorage GatewayがFSx for Windows File Server対象に機能拡張されたものです。詳細については下記リリースノートをご確認ください。

※外部サイト:Amazon FSx File Gateway がクラウド内のフルマネージドファイルストレージへのより高速で効率的なオンプレミスアクセスを提供

個人的に、このリリースノートを見た瞬間パフォーマンス的にメリットがあるのではないかと感じました。ですので、今回はFSxファイルシステムに直接接続した場合と、Storage Gatewayを経由した場合のパフォーマンスの差について調査してみました。

本来ならば、FSxにEC2から接続する場合とオンプレミスから接続する場合、Storage Gatewayをオンプレミスに設置する場合とEC2に設置する場合の少なくとも4通りを比較すべきだと思うのですが、今回はDirect Connect、もしくはVPN環境を準備する余裕がなかったため、FSxの接続元はEC2かつStorage GatewayもEC2上に構築した場合について比較を行います。

私個人の予想としては、オンプレミスからFSxに接続した状態かつ、オンプレミスにStorage Gatewayを設置した場合が最もパフォーマンスメリットを得られるのではないかと想定しておりますが、こちらについては今後の課題としてネタを温めておきます。

事前準備

それではまず準備として、Directory ServiceからAWS Managed ADを作成し、AWS FSx for Windows File Serverのファイルシステムを、作成したADのドメインに参加する形で作成します。今回は、SSD32GB, スループット16MB/sで作成しています。
こちらの作成作業については過去のコラムAWSで遊んでみよう!~Amazon FSx for Windows File ServerのHDDファイルシステムの速度やいかに!?~で取り扱っていますので今回は割愛いたします。

続いて、Storage Gatewayの作成に移ります。こちらはVPC内で作成する場合は事前にVPCエンドポイントを作成する必要がありますのでご注意ください。
Storage Gatewayの画面に移ると早速「FSxファイルシステム」というメニューや「FSxファイルシステムをアタッチ」といった見慣れないメニューが見えますが、一旦置いておいて「ゲートウェイの作成」をクリックします。

ゲートウェイの作成

すると、ゲートウェイの種類の選択で「Amazon FSx ファイルゲートウェイ」という選択肢が増えているので早速そちらを選択していきます。

ゲートウェイの種類の選択

その後のゲートウェイの作成については、既存のS3に接続するStorage Gatewayと同じ手順ですので過去のコラムAWSで遊んでみよう!~爆速Storage Gatewayは可能か!?~をご参照ください。

ゲートウェイが作成されたら最初の画面に増えていた「FSxファイルシステムをアタッチ」のボタンをクリックしていきます。
すると、Storage GatewayをADに連携する画面になりますので、ADの情報を入力してFSxファイルシステムと接続します。

ゲートウェイを確認

Storage GatewayをFSxファイルシステムと接続すると、以下のような画面が表示されますので画面下部の「コマンドの例」に従ってEC2インスタンスにファイルシステムをマウントします。

EC2インスタンスにファイルシステムをマウント

パフォーマンス比較

ここまでで、新たな機能であるAmazon FSx File Gatewayの構築が完了です。
それでは早速パフォーマンスの比較を行っていきたいと思います。
EC2にWindowsインスタンスを作成し、冒頭で作成したADに参加させます。そして、今回はYドライブとしてStorage Gateway経由でFSxのファイルシステムをマウントし、Zドライブとして同じFSxのファイルシステムを直接マウントします。

まずは、FSxのファイルシステムを直接マウントしたZドライブのディスクベンチマークをとります。その結果は以下の通りです。

スコア

ベンチマークのスコアにもあらわれていますが、実際にFSxを使った体感としてもプログラム等で連続してアクセスする場合にはあまりパフォーマンスが出ない点が悩みの種でした。
今回はEC2上のインスタンスを使用していますが、オンプレミスからFSxに接続した場合は物理的な距離による影響もあり、さらにパフォーマンスが低下します。

それでは、Amazon FSx File Gatewayを使用してFSxファイルシステムに接続したYドライブのディスクベンチマークの結果が以下です。

スコア

EC2・FSx間の場合と比べると、キャッシュが効く範囲内では同じAZ内のEC2インスタンス同士でのやり取りになるため格段に速くなっています。正直想像していた以上でした。もちろんベンチマークの結果なので実際の利用シーンに応じて効果のほどは変わってくるとは思いますが、少なくともパフォーマンス面では効果ありということがわかりました。

まとめ

最後にまとめです。Amazon FSx File Gatewayを利用することでAmazon FSx for Windows File Serverのパフォーマンスを向上させることができることがわかりました。これまでパフォーマンスの面で一歩踏み出せないでいた場合も、今回のアップデートを考慮すれば、議論の余地があるのではないでしょうか。

もちろん、Storage Gatewayを利用すると金額面ではFSxの料金に加えてVPCエンドポイントやゲートウェイのインスタンスの分が追加で必要になりますので、パフォーマンスの向上と追加コストを、実際の利用する環境で試算・計測して天秤にかける必要はあるかと思います。
また、実際にファイルサーバとして使う場面としては、オンプレミスから利用するシーンが多くあると思いますので、今回はテストできていないオンプレミスとの接続の場合はどの程度効果があるのか非常に気になるところです。また今度VPN環境がゆっくり準備できるときがあったら試してみたいですね。

Amazon FSx for Windows File Serverではパフォーマンスが今一つだと思われていた方は、ぜひAmazon FSx File Gatewayを検討してみてはいかがでしょうか。

それではよいクラウドライフを!

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松岡 政之

株式会社インフォメーション・ディベロプメント 先端技術部 エバンジェリスト

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