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マネージドサービス(運用・保守)
デジタルソリューション営業部
エバンジェリスト 松岡 政之 
年末が近づいてきており、何かと忙しい時期になりました。師走というだけあって私も忙しく走り回っております。
この忙しさにかこつけて久しぶりにエナジードリンクを飲んだのですが、黙っていると耳まで鼓動が聞こえてきそうなほど動悸がして体の衰えを感じてしまいました。エナジードリンクは元気の前借とも言いますし、あまり頼りすぎないよう気を付けたいところですね。
はじめに
今回もAWSの話題を取り上げていきたいと思います。さて、皆様AWSでログの管理はどうされているでしょうか?いつでも確認できるようになっているでしょうか?いろんなところに散らばっていませんか?取得したログを物置の奥の方に追いやっていませんか?無駄に保管料金だけかかって放置されていませんか?
というわけで、セキュリティの話題でよく挙がる課題の一つにログの取り扱いがあります。ログを保存してはいても活用できていないという事例が多いのではないでしょうか。ログを普段から活用するための第一歩としてまずはログの可視化が必要となります。可視化されることで不審な兆候やシステムの弱点等が見えてくるかもしれません。
ではログの取り扱いに不安がある方はぜひ弊社のNDRを!と言いたいところですが、NDRはネットワークに特化した製品ですので取り扱うログによってはマッチしないかもしれません。ログの可視化という目的を達成するためには、SplunkやDatadog、Grafanaなどの適したツールがあります。それぞれのツールの詳細や違いについては今回の趣旨ではないので割愛しますが、通常これらのツールはEC2インスタンスなどにデプロイしたり、メーカーが提供しているSaaSとして利用したりします。
ですが、AWSのログの場合AWSで完結させられれば嬉しいと思いませんか?もちろんEC2インスタンスにデプロイすればAWS内で完結することはできますが、その場合サーバやネットワークといったインフラストラクチャの運用がどうしてもついて回ります。一方、AWSのサービスとしてはElasticsearchやKibana等を統合したAmazon OpenSearch Serviceが思い浮かびます。こちらの詳細については別途検証していきたいところですが、活用するためにElasticsearchやKibana等の各サービスの理解が必要になりそうです。普段からこういったサービスを使い慣れていればいいのですが、一から学ぶとなると少し骨が折れます。
そこで、AWS上で完結でき、インフラの心配をすることなく、特別な知識も不要で簡単に利用開始できるマネージドサービスがあれば嬉しいですよね!そんな都合のいいサービスがあるんですか!?
あるんです!というわけでそんなわがままを実現するAmazon Managed Grafanaを見ていきましょう。
( https://aws.amazon.com/jp/grafana/ 外部リンク)
こちらは昨年の8月にリリースされたサービスです。そして、つい先日の11月23日にVPC内にホストされているデータソースにパブリックを経由せず直接接続できるようになったというニュースリリースを見かけたので、これを機に触ってみようと思い今回取り上げます。
一応補足しておきますが、ここまでで名前を挙げたほかのサービスについてはそれぞれ異なる強みを持っていますので、実際に検討する際は目的に合わせて選択するのが良いでしょう。今回は「より簡単にAWS上でログの可視化を実現する」という目的を第一に置いています。
前置きが長くなってしまいましたが、早速試していきましょう。
Aamazon Managed Grafana環境作成
ワークスペースの作成
アクセスしたら「ワークスペースを作成」をクリックします。
アクセス許可タイプについては基本的には「サービスマネージド」を選択すれば問題ないかと思います。サービスマネージドを選択することで次の画面で選択するデータソースに合わせた権限がGrafanaのサービスロールに自動的に付与されます。一方、「カスタマーマネージド」を選択した場合は手動でポリシーを割り当てていく必要があります。まだ検証していないので間違っているかもしれませんが、VPCエンドポイント等を介してサービスマネージドなデータソースの選択肢にないAWSサービスと連携したい場合などの利用が想定されます。
続いてアウトバウンドVPC接続の項目ですが、こちらは冒頭でも少し触れた新機能です。VPC内にあるデータソースを直接利用したい場合に、データがあるVPCを指定します。今回は利用する予定はありませんがせっかくなのでVPCを指定してしまいましょう。この機能についてはまた別途検証してみたいですね。
最後にGrafanaアラートについても今回は使用しませんが、せっかくなのでオンにしておきます。
そして、データソースではモニタリングしたいAWSサービスを選択します。前のページのアクセス許可タイプでサービスマネージドを選択していた場合、ここで選択したデータソースへのアクセスに必要な権限が自動で割り当てられます。通知チャンネルについても同様です。


Grafanaユーザーの準備
割り当てるユーザーにチェックを入れて「ユーザーとグループの割り当て」をクリックします。



Amazon Managed Grafanaコンソール
コンソールへのアクセス

データソースの追加
左のAWSマークからAWS servicesを選択します。





ね、簡単でしょう?
まとめ
まだまだ初歩の初歩ですが想定外に長くなってしまいましたので今回はここまでにしたいと思います。とはいえ今回できなかったAWSの様々なログの可視化やAmazon SNSを用いたアラート、新機能であるVPC内のデータソースの参照などまだまだやってみたいことがありますので今後も時間を見つけて触っていきたいと思います。
ここまでの流れはいかがだったでしょうか?機能が多いため説明で長くなってしまいましたが、操作としては直感的で簡単だったのではないでしょうか?少なくともサーバを用意してGrafanaをインストールして……という作業と比較してみると非常に楽ですね。しかも、マネージドなのでその後のサーバの管理なども不要というのが嬉しい点です。
まだドキュメントも含めて日本語が利用できないなど気になる点もいくつかありますが、90日間は無料で使えますので気になった方は試しに触ってみてはいかがでしょうか。
それではよいクラウドライフを!