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マネージドサービス(運用・保守)
デジタルソリューション営業部
エバンジェリスト 松岡 政之 
2月に入って花粉の飛散を感じ始めた今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。晴れて暑くなったり先々週には急に寒くなって雪が降ったりと気候が安定しない日々なので体調管理も気を付けていきたいですね。年度末で忙しくてあまり気が回らないかもしれませんが、体は資本なので大事にしていきたいですね。
はじめに
皆様はAWSの簡易見積ツール(Simple Monthly Calculator)をご存じでしょうか?簡易見積ツール( https://calculator.s3.amazonaws.com/index.html )はAWSの見積もりができるツールなのですが、AWSを最近触り始めた方は知らないかもしれません。今ではAWS 料金見積ツール(AWS Pricing Calculator)( https://calculator.aws/ ) という、より使いやすくなった見積もりツールが主流になっています。
この昔からある簡易見積ツールですが、ついにその役目を終了しようとしています。すでに簡易見積ツールのページでも案内されていますが現地時間の2023年3月31日23時59分(日本時間では2023年4月1日16時59分)にサービスの終了が決まっています。そのため、簡易見積ツールを使用している場合は早いうちにAWS料金見積ツールを使って慣れておいた方が良いでしょう。
しかし、以前から簡易見積ツールを使っていて見積もりを保存しているという方はこのまま放っておくとせっかく保存していたものが使えなくなってしまいます。それでは、どうすればよいでしょうか。そんな中、至れり尽くせりなことに簡易見積ツールの見積もりをAWS料金見積ツールに変換できる機能が1月27日にAWSからリリースされました。「簡易見積りツールの見積りに、AWS 料金見積りツールでアクセスできる機能をリリース」( https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2023/01/aws-simple-monthly-calculator-estimates-pricing-calculator/ )
というわけで、変換機能がどんなものなのか触っていきたいと思います。
※以下、画像はすべてAWS Pricing Calculator内のものです。
簡易見積ツール
見積もり作成

では、東京リージョンでEC2とS3で簡単な見積もりを作成してみます。簡易見積ツールでの作成方法は今回の趣旨ではないため割愛しますが、変換前後の設定値を比較するために見積もりの設定内容の画像だけ撮っておきます。
●EC2

●S3

そして作成した見積もりが以下のとおりです。

見積変換機能
簡易見積ツールからの変換
先ほど作成した見積もりの右上に「保存して共有」というボタンがあるのでクリックします。すると、名前等を入力する画面が表示されるので必要事項を入力したら「OK」をクリックします。

少し待つと、下記のように共有リンクが表示されます。このURLにアクセスすることで、簡易見積ツールで作成した見積もりをAWS料金見積ツールで表示することができます。

変換結果確認

それではこちらを変換前のものと比べてみたいと思います。
まず全体の月額料金からです。
変換前 | 変換後 | |
---|---|---|
全体の月額料金 |
$784.88 |
$787.36 |
おや?2.48ドルも差がありますね。
1ドル未満の差なら計算式での端数の扱い等による差かもしれませんが、あまりにも差が大きいのでもう少し詳細を確認していきたいと思います。
というわけで、各サービスの月額料金を比べていきたいと思います。
変換前 | 変換後 | |
---|---|---|
S3の月額料金 |
$25.02 |
$25.01 |
EBSの月額料金 |
$17.00 |
$19.50 |
EC2の月額料金 |
$742.86 |
$742.85 |

こちらを見る限り、S3とEC2は問題なさそうですが、EBSの料金に大きな差が生じています。
では、EBSの詳細を確認していきましょう。
以下のとおり、見積もりの詳細を確認してみると、どうやら簡易見積ツールではなかったスナップショットの増分の金額が加算されているようです。確かに毎月スナップショットを取得すると増分が発生するのは納得できるので、AWS料金見積ツールでは簡易見積ツールより実態に即したものに変わっているのだと考えられます。

まとめ
想定としては、簡易見積ツールで作成した見積もりをAWS料金見積ツールに変換して金額一致しましたね!めでたしめでたし。となると思っていましたが、意外にもAWS料金見積ツールでは機能が追加されているため金額に差異が出ることもあるということがわかりました。
今まであえて簡易見積ツールとAWS料金見積ツールを比較したことはなかったので今回新たな発見がありました。AWSの見積ツールもUIだけでなくその中身も実態に沿うように進化しているようです!また、そういった機能上の差異はあれど見積もりの変換機能としては煩雑な操作は一切必要なく非常に手軽に利用できました。簡易見積ツールのサービス終了までもうあと1か月ちょっとしかないので、簡易見積ツールで作成した保存しておくべき見積もりを持っている方は早いうちにAWS料金見積ツールに変換しておきましょう!
それではよいクラウドライフを!