
IDアメリカ
ハムザ・アフメッド
アメリカでは今年からマスク着用の規制も解除され、人が集まるイベント会場ではマスクを付けているものは少数になっています。今回レポートするイベントは「Startup Boston Week」はマサチューセッツ州、同時期に「Nvidia GTC」はカリフォルニア州で開催されました。どちらもハイブリッドイベントであったため、バーチャルで両イベントに参加することが出来ました。コロナが落ち着いてきてはいるものの、人が移動せずに参加できる利点があり、今後のイベントはハイブリッドが一般的になっていくでしょう。
Startup Boston Week

Startup Bostonの使命
「私たちの使命は、業界コミュニティ、学習コミュニティ、キャリアコミュニティなど、あなたとコミュニティをつなぐお手伝いをすることです。」
※英文邦訳
このイベントでのトピックはスタートアップに対するアドバイスだけでなく、法律や技術の話もされており、このレポートではWeb3.0に関連した内容について記述いたします。
Nvidia GTC

NVIDIA GTC (GPU Technology Conference) は、開発者、エンジニア、研究者、発明家、IT専門家が集まる開発者向けのグローバルなAIカンファレンスです。 トピックは、人工知能(AI)、コンピュータグラフィックス、データサイエンス、機械学習、自律マシンなどに焦点をあてています。
Startup Bostonセッション
Web 3.0とは?スタートアップが必要な知識
Web 2.0懸念点
もう1つの懸念点として、Web 2.0で保存されているデータのセキュリティはデータを所有している企業が責任をもって守るべきですが、多くの企業は脆弱なセキュリティを使っており、ハッキングされるリスクがあります。ブロックチェーンはセキュリティを意識して作られた技術のため、企業は保存時の暗号化対応など気にする必要がなくなります。このため、コストも削減でき、セキュリティも強化できます。★Web 3.0の説明が必要な場合は、こちらを参考にしてください。
Web 3.0利点
データが自分のものとして意識すれば、人はより質の高いデータを保存してくれるであろうとスピーカーは語っていました。Web 3.0を検討する時に以下の利点を参考に活用しましょう。
- ブロックチェーンに保存されているデータの動きは全て自動的に記録され、ログ対応をせずにブロックチェーンを活用することができる
- データの所有者に権利を与えプライバシーを上げる
- ブロックチェーンに関わる技術は全てオープンソースのため、大手企業に規制をかけられることはない
- 自動的に分散化することで冗長性を期待できる
ブロックチェーンの法律
- 期待収益を持ないこと:トークンを投資目的で作らない
- 投資家よりコンシューマ向けに作ること
- リリースする前にトークンの価値を発表すること
- プラットフォームができる前にトークンを売ること
もし投資目的のトークンを作る場合は以下の方法で承認を受け、販売許可を得る必要があります:
- Regulation D:トークンは投資家のみに売る。投資家とは年間少なくとも1人$20万か夫婦で$30万を儲けるものに該当する
- Regulation A:プラットフォームとトークンを作り、販売するまで1年間待機。このあいだにSECの問い合わせなどに回答する。もっとも一般的。
- Regulation S:アメリカ以外の国で販売したい場合。アメリカでの販売を禁じる。1年たったあとのみアメリカでの販売を許可する。
- Regulation CF:$5Mが投資家でないコンシューマにクラウドファンディング得られた場合は問題ない。プラットフォームができ次第、トークンを与える仕組みである。
競争情報(Competitive Intelligence)
「組織の外で何が起こっているかを合法的に知り、その情報に基づいて行動できるように自信を持つこと。」
競合情報への第一歩。
- 検索エンジンで、競合他社が何をしているかを検索し、すべてエクセルで記録しておく
- Googleで検索したときに自社が表示されるようなキーワードを考える
- フィールド・インテリジェンス:自分が聞いたこと、他の人がその会社について聞いたことを集める。ヒント:競合のニュースレターに登録する
- 競合他社のターゲット市場とその市場に対する言葉の使い方をチェック
競合情報は多くのチームに含まれていますが、初期段階のビジネスでは、セールスとマーケチームがこの情報から最も大きな利益を得ます。スタートアップがマーケットに入る前にこのような調査を行うのは必須です。スピーカーによると参考にする情報として、競合が使っている色合いやフォントも知ることが重要である。
Nvidia GTC
製造メタバース
- 生産の監視、問題の分析、(物理ベースの)ソリューションのシミュレーション、また製品デザインにも有用で、製品がどのように見えるかを正確に表示するのに役立ちます。
事例:自動車業界における技術向上のプランニング(Siemens)
事例:倉庫でロボット - Robust.AI
自動化されていない80%の倉庫では、生産性と業務効率を向上させる自動化が絶対に必要であり、さまざまなビジネスの組み合わせや将来の変化にも対応できる適応性が必要です。また、倉庫が自動化されることで人の雇用が減るのは好ましくないので、人と一緒に働く自動化ソリューションが必要です。
この問題を解決するために作られたソフトウェア:Grace
このソフトウェアは、どんな倉庫でも、どんなワークフローでも、人とロボットとのダイナミックなコラボレーションを可能にします。
- コードの設定やカスタマイズは必要ありません。
- AIによる最適化で、人とロボットの間のワークフローを動的に計画し、状況の変化に応じて常に適応していくことができます。
- また、AIは一定レベルの状況認識能力を備えており、人間の言葉や職場の規範で世界を理解し、作業員に価値ある情報を提供することができます。
Omniverseの紹介
メタバースを作る際にはいろいろなツールが必要になります。3Dモデルの情報はBlenderから、IoTのパラメータはAutocad Revit、動きの情報はUnityからと、いろいろのフォーマットのデータを自動的に使えるフォーマットに変化し、活用することができます。この技術を使うことでいろいろな専門家のコラボレーションが可能になります。クラウド上で展開すれば何人もが同じ環境を編集することができます。
デジタルツイン自動運転
- 普段自動運転が禁じられている地域でもAIモデルのトレーニングができる
- より多くの時間自動運転を試すことが可能
- 滅多にないケースを再現し、トレーニングさせることができる
通常は自動運転のアルゴリズムは、運転とテストの後に結果データを確認して変更するもです。しかし、その場合、実際車の中にいないと、車がどのように町をナビゲートしたのかがわからないのです。Omniverse上では全てを録画することが可能で、もっと正確なパフォーマンスを参考することができます。
Nvidiaは今後自動運転車の資格を得るための取り組みもこのデジタルツインで行える未来を語っていました。
AIの進歩
「AL&MLの活用において、多くの企業は現在どのような状況にあるのでしょうか?」
Adept社によると、現在の企業はAIをまだスタート段階でしか活用していないと語っています。オンラインではいくつかのパッケージやAPI、サービスが提供されていますが、多くの企業はそれらの最先端技術を自社の企業や製品に適用する専門家を抱えてはいません。企業はまだ、自分たちの特定のビジネスにおいて何が意味を持つのか、そのためにAIをどのように使いたいのかを見極める必要があります。