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株式会社IDデータセンターマネジメント
テクニカルスペシャリスト
水谷 知彦
今回のコラムでは、趣味の活動の中での画像生成AI活用について、触れていきたいと思います。
浅草サンバカーニバルとは
みなさんは、浅草サンバカーニバルをご存じでしょうか?浅草サンバカーニバルは、ブラジルのリオデジャネイロのカーニバルをお手本とした、東京の浅草で開催される北半球最大級のサンバカーニバルです。
近年は、開催期間の1日で約50万人(主催者発表値)の観衆を記録しており、1981年に第1回目が開催されて以降、コロナによる開催中止を経て、2025年8月30日(土)の開催で40回目を迎える大変歴史のあるイベントでもあります。
パレードコンテスト
突然、浅草サンバカーニバルについてお話してしまいましたが、私はこの浅草サンバカーニバルに約20年前から参加しており、2024年9月15日(日)に開催されたカーニバルにバテリア(楽器隊)として参加してきました。
私が所属しているチームの順位は、惜しくもS2リーグの優勝には届かず少しだけ残念な思いをしております。
浅草サンバカーニバルは、トップリーグのS1リーグ8チームと、S2リーグ7チームでパレードが行われており、それぞれのパレード内容が審査され、順位が付けられています。
S1リーグの下位チームとS2リーグの上位チームは、毎年入れ替わっており、華やかなパレードの裏では熾烈な順位争いが繰り広げられています。
審査の順位に直結するテーマ
浅草サンバカーニバルに参加する各チームでは、それぞれのパレードで表現するテーマを決めており、歌や踊り、衣装、山車(だし)などでテーマを表現しています。今年、S1リーグで優勝したチームのテーマは「電気」、私が所属しているチームは、チーム結成30周年を記念して「お祝い」でした。
テーマの内容は、審査の順位に直結する大変重要な要素となります。
各チームのテーマは、基本的に毎年新しいテーマが選ばれており、私が所属しているチームでも毎年新しいテーマを決めています。
私が所属しているチームでは、テーマを決める際、事前にテーマ案をメンバーから募集します。次に、テーマ会議で案を膨らませ、ある程度のストーリー、構成などを考慮します。その後、メンバーがやってみたいテーマ案を絞り、多数決を取るプロセスでテーマを決めています。
例年、テーマを決めるプロセスでは、基本的にテキストベースで情報をやり取りしており、テーマのイメージを共有する際もテキストでイメージを書いて共有していました。
テキストベースの情報でイメージを共有する場合、各メンバーが頭に思い浮かべるテーマのイメージに齟齬が出てしまい、イメージをすり合わせるのに大変な労力を要していました。
そこで、私が所属しているチームでは、今年からテーマのイメージをより具体的にメンバー内で共有できるよう、生成AIを活用することにしました。
今回のコラムでは、浅草サンバカーニバルに向けた、テーマのイメージを共有するために行った内容を、一部抜粋しながらお伝えしたいと思います。
この様な場面でも生成AIが活用されていることをご覧いただければと思います。
画像生成AIの活用方法
画像生成AIを利用すれば、テキストデータから画像を容易に作成できます。テーマに沿った画像を作成することができれば、今までテキストで伝えていたイメージを画像にして伝えることができるため、より具体的なイメージをメンバーに伝えることができます。
今までイメージを共有するために利用していたテキスト情報を、画像生成AIに投入して、テーマに沿った画像を作成することにしました。画像生成のために利用したAIは、「ChatGPT」です。

テキストプロンプト
例えば、テーマを「日本の四季」とした場合、テキストでイメージを考えると、以下のような内容になるかと思います。- 「春」:桜、花見、新緑、春風、青葉、菜の花、つくし、うぐいす
- 「夏」:海、七夕、夏祭り、花火、青空、風鈴、ひまわり、かき氷
- 「秋」:紅葉、月見、秋風、読書、栗、柿、すすき、銀杏
- 「冬」:雪、初詣、雪だるま、かまくら、白銀、椿、鍋料理、こたつ
テーマ案のイメージ画像作成
画像生成AIを利用して、テキストのイメージ情報から画像を生成すると以下のようになります。- 「春」:

- 「夏」:

- 「秋」:

- 「冬」:

※実際、浅草サンバカーニバルをご覧になった方はご存じかと思いますが、サンバパレードの構成の中で、一般的に想像される派手目のダンサー(パシスタ)はごく一部であり、大半が上記画像の様なテーマを表現するダンサーで構成されています。
いかがでしょうか?
画像があることで、より具体的にテーマをイメージできるようになったかと思います。
画像生成AIがもたらした効果
今回テーマを決めるプロセスの中で、チームメンバーへは、テキストの情報にプラスして、上記のような生成AIで生成したイメージ画像を共有することで、テーマに対して共通のイメージを持てるようになりました。テーマに対して共通のイメージを持つことで、メンバーのテーマへの関心は例年以上に高まり、テーマを決める多数決の投票は、1回の投票では決まらず、決戦投票まで行われる盛況ぶりでした。
画像生成AIを活用することで、イメージをすり合わせるための労力を大幅に削減することができ、趣味本来の目的である、ダンスや演奏を楽しむ時間を増やすことができました。
仕事の中だけでなく、趣味の活動の中でも画像生成AIを活用することで、趣味本来の目的である楽しむ時間を増やせるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた次のコラムでお会いしましょう。
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