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ITエンジニアの現地作業 ミスを減らす!事前準備のポイントとは

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サイバー・セキュリティ・ソリューション部
テクニカルスペシャリスト 谷口 純一郎 顔写真

こんにちは、サイバーセキュリティソリューション部所属の谷口です。
 
私はサイバーセキュリティ部所属といいつつ、実際はセキュリティ関係の仕事はあまりしておらず、現在はネットワークやサーバの設計、構築などを主な業務としています。逆に言うとそれぐらいしかできないと言ったほうが正しいのかもしれません。

とはいえ、時代の流れでオンプレミスと比較するとクラウド案件が増えており、このままでは若手に顎で使われてしまう未来が見えますので、私もクラウドの勉強をせざるを得ない状況に追い込まれており、現在はGoogle Cloudを勉強しています。

Google Cloudの資格のAssociate Cloud Engineerは取得したため、次はProfessional Cloud Network Engineerを受験する予定です。
 
クラウドサービスをさわってみると、GUI上で必要な情報を入力していけば、サーバやストレージ、ネットワークなど基盤の部分はすぐに用意でき、とてつもなく便利なのがよくわかりましたが、席に座ったまま構築できてしまうのはどうもしっくりきません。

これは一体なんなのでしょう、このまま達成感を感じられないのでしょうか?
 
実際に現場に行って機器のマウントや設定変更などをして、冷や汗をかきながら時にはお客様に頭を下げ、なんとか切り戻しをせずに無事にすべて作業を終えた時の解放感。
これは現場で作業しないとなかなか味わえず、この瞬間のためになんとか仕事を続けていられるのだと思います。
 
やはり私は、現地で機器をさわりたいのだなということがよくわかったところで、今回は現地作業、主にネットワーク周りについてのコラムになります。
 

作業の失敗談

設定が間違っていて通信できなかったり、再起動するサーバを間違えたり・・・。
といったことをかつて何回かやらかしてきました。

作業ミスをするとなぜなぜ分析をしたり、お客様に顛末を記載した報告書を提出したりと、手間がかかる上に本人だけでなく周りにも多大な迷惑をかけてしまいます。

世界から作業ミスが減ることを願いつつ、諸先輩方から教わったいまも私の記憶に残る名言とともに再度自分を戒める意味も込めて書いていきます。

自分の得でしかないコラムですが、普段の業務で作業をしない方でも参考になる情報があると思いますので、最後までお付き合いください。

事前準備の重要事項

作業が問題なく完了するかどうかは、ほぼ準備で決まると思っています。ここで許す限りの時間と惜しみない手間をかけられれば、当日は自信を持って作業に臨むことができます。

お客様からお金をいただいている以上、プロなわけですから準備段階でも手を抜くわけにはいきません。

プロスポーツ選手も試合や練習前にも入念な準備を行いますよね。同じだと思います。
以下に、作業前までで重要な事項を記載していきます。

現行環境の理解

更改案件の場合、現行環境の理解は必須です。

お客様から現行の基本設計書やパラメータシート、構成図、configなどを提供していただき、現行環境の理解を深めていきます。ただ、資料が更新されていないこともあるため、鵜呑みにするのは危険です。
 
「config、構成図は本当にじっくり見てください」と、私より30倍優秀なネットワークエンジニアの方がおっしゃっていました。よく環境を理解しなさいという意図だけでなく、かつて設定漏れをしてしまったのかどうかはわかりませんが、経験則に基づいているのでしょう。

環境を理解しておくと、資料を確認しなくても、お客様の質問に即答できることが増え、頼もしいエンジニアとして見ていただけるのではないかと思います。

現地調査

機器を設置する場合は、現地調査を行います。

機器をマウントする場所、上下や奥にマウントをさまたげるものがないか、電源回路が1系統か2系統か、電源の空き具合、既存機器の消費電力、エアフローの向きなどを確認します。

構成図がなかったり、更新されていない場合、LANケーブルをたどっていくこともあり、ほこりまみれになる場合もあるため、汚れてもよいなるべく静電気を発生させにくい服装でいきます。
 
机の下を這ったり床下をのぞいたり、こういうやや泥くさい仕事、控えめに言って最高ですね。


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機器選定

更改した機器が実際に使用してみると満足な速度が出ず、上位の機器と交換したという話を聞いたことがあります。

こうならないよう機器を選定するときは、現行環境の設定や性能監視の情報をよく確認する必要があります。

対応型番、互換性などの確認

compatibleを略してコンパチと言われていますね。
 
例として、ネットワーク機器間の接続をメタルのLANケーブルから光に変更することになった場合、そのネットワーク機器に対応しているSFPモジュールの型番を用意する必要があります。
 
未対応の型番を用いた場合、通信はできますがエラーが発生することがあり、SPFモジュールを買い直しになることもあります。
「それコンパチ確認しました?」と略語を使用してみると、できるエンジニアのように見える…かもしれません。

検証

コンパチの確認もできるため、現行機器と同じ型番、同じバージョンで検証できればベストですが、検証環境が充実していないとなかなか難しいですね。
最悪、ぶっつけ本番になります。

試験

config投入前に機器が正常に動作しているか単体試験を行い、問題なければconfigを投入し、別の機器と結合して試験を行います。機器を冗長化している場合は、切り替わりと切り戻しが想定通りの動きとなるか、心配性の私は2、3回確認します。

最後に

現地作業のコラムといいつつ、現地作業にたどりつくまえに文字数が多くなってきてしまいました。
申し訳ありません、続きはまた次回の予定です。



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谷口 純一郎

株式会社インフォメーション・ディベロプメント テクニカルスペシャリスト

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