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ICTサービス第5部
テクニカルスペシャリスト 千葉 由紀祐 
今月はデジタル月間ですね。今年から10月第一日曜日・月曜日がデジタルの日、10月がデジタル月間となり、10月2日(日)にはオンラインイベントが開催されました。
デジタル化推進の現在地
河野太郎デジタル大臣のアバターの開会宣言から始まり、日本におけるデジタル化進行度の調査結果や、デジタルで解決すべき課題・問題に対する河野大臣と出演者の方々のディスカッション、最新のデジタル活用現場の事例紹介、good digital awardとして9分野の個人・企業・団体の取組みからグランプリが表彰されるなど、見所が多々あり、2時間があっという間に感じる内容でした。河野大臣のアバターの表情豊さや、音声が出せない場所でも視聴し易いようAIを活用した文字起こしの精度の高さなどにも目を引く、面白いイベントだったと思います。(まだ視聴されていない方は、デジタル庁の「デジタルの日」HPで当日のアーカイブ動画が公開されています)
私達サービス提供事業者も、このようなイベントを通して現在地を認識した上で、日本のデジタル化推進に貢献していかなければならないと感じています。
私の専門分野であるITサービスマネジメント(ITSM)や事業継続マネジメント(BCM)は、AI活用によるデジタル化推進と相性が良く、例えばITSMではナレッジ管理、サービス要求管理といったプラクティス(プロセス)、BCMでは予兆情報の収集・シミュレーション、緊急時の状況把握、人的リソースの代替などで活用が想定できる場面が多々あります。Society5.0の防災分野においてもデジタルツインでのAI技術の活用は必須であり、専門分野×AIはデジタル化推進の大きなキーワードと言えます。
今回は、専門分野×AIの強みを得るために私が取り組んだAI技術習得について紹介したいと思います。
AI技術習得へのアプローチ
- 内閣府のAI戦略2022では、AIの社会実装において画像認識、自然言語処理等での広く・効果的な活用が期待できるディープラーニングを重要分野と位置付けていること
- 基本から段階的に理解度が確認・実感できること
講座/資格 | コース内容/シラバス ※JDLA公式HPより |
---|---|
AI For Everyone (すべての人のためのAIリテラシー講座) |
https://www.jdla.org/certificate/everyone/#everyone_No03 |
G検定 (ジェネラリスト検定) |
https://www.jdla.org/certificate/general/#general_No03 |
E資格 (エンジニア検定) |
https://www.jdla.org/certificate/engineer/#engineer_No03 |
AI技術習得における所感
1)AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)
5時間程のオンラインビデオ講座ですが、エントリー講座のため、技術的な前提知識は必要なく、組織においてAIプロジェクトを進める上での全体像がイメージできるようになります。全世界60万人以上が受講した講座を日本向けに制作しており、本編は英語のため字幕で視聴しました。非常に分かり易い内容で、無料で受講できます。
2)G検定(ジェネラリスト検定)
G検定は、以前のコラムで触れましたが、デジタルリテラシー協議会が全てのビジネスパーソンが身につけるべきデジタルリテラシーの1つとしています。具体的に何を学ぶべきかの指標は、シラバスで確認できます。

技術の進歩にあわせて、シラバスは定期的に更新されるため、現在の動向を知る上でも定期的にチェックすると良いと思います。
学習の手段としては、同協会や合格者が公開する推薦図書を利用したり、以前もコラムで取り上げた「マナビDX」で関連コンテンツを視聴してみたりと、公開情報は多いため、自分の勉強スタイルにあわせて行い易いと思います。まずは色々な情報に実際に触れてみることが大事です。
3)E資格(エンジニア検定)
ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有する人材育成を目的とした検定であり、JDLAが人材育成のための講座をJDLA認定プログラムとして認定推奨しているため、プログラム実施事象者を選択し、カリキュラムに沿って学習することで、AIを作成する技術を身に付けられます。
PythonでPyTorchまたはTensorFlowを使った実装能力が求められるため、身に付けるには相応の時間を要します。私も長くプログラミングをしておらず、Pythonも触った程度でしたが、学習してみるとJAVAなどの他プログラミング言語よりも親切な言語で使い易いと感じました。また、無償でサービス提供されているGoogle Colaboratoryを利用すれば実行環境を構築する必要はなく、ブラウザのみでコーディングやGPU実行を行うことができるため、隙間時間をうまく活用する事で学習を進められます。
G検定と比べると格段にAIのイメージが鮮明になる点で、デジタル化の推進には少なくともここまでの学習は行う必要があると私は考えます。
終わりに
AIは分野を問わず適用できるものであり、専門分野に特化している程、+αの知識・技術として習得することで大きな効果が期待できます。
自身の専門分野×AIによってデジタル化推進を検討できる力は、企業にとっても個人にとっても大きな武器となります。
本コラムがチャレンジのきっかけ・参考になったら幸いです。
なお、当社グループでは以下の様なAIを活用したサービスや、AI研修プログラムを提供しています。
●次世代型システム運用サービス「Smart運用」
お客様のシステム構成(オンプレミス環境、クラウド環境など)にかかわらず、AIによる自動化や、当社運用拠点からのリモート運用によりお客様のDX推進を支援する SaaS 型のシステム運用サービスとなっています。

AIを活用した実証実験や業務支援アプリケーション開発プロジェクト、IT運用効率化を目的としたAI開発などの経験を持つフェローが講師を務める「EXIN BCS Artificial Intelligence Foundation認定プログラム」を行っています。
※詳細はこちら
では、また次回コラムでお会いしましょう。