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【ナレッジコラム】パブリッククラウドのメリット・デメリットと活用時のポイント

ビジネスにおけるクラウドサービスの活用が当たり前となった現在、新たにクラウドサービスの活用を検討している企業も多いのではないでしょうか。その際、低コストかつ導入期間を短縮する方法として注目を集めているのが、パブリッククラウドです。ただし、メリットにばかり目を向けてしまうとその裏に潜むデメリットや問題点を見逃してしまうかもしれません。そこで、今回はパブリッククラウドを活用するメリット、デメリットを見つつ、実際に活用する際に気をつけるべきセキュリティリスクとその対策についてお伝えします。

パブリッククラウドのメリットとデメリット

パブリッククラウドを効果的に活用するためには、メリットはもちろん、デメリットもしっかりと把握しておく必要があります。ここでは、主なメリットとデメリットを見ていきましょう。

なお、パブリッククラウドの概要については、「パブリッククラウドとは?プライベートクラウドとの違いから意識すべきセキュリティまで解説」をご覧ください。

また、クラウドサービスの種類については、「IaaS、PaaS、SaaSとは? クラウドサービスの根幹をなすこれらサービスの特徴を解説」を、これらを使ってDXの実現を検討されている場合は、「DXでクラウド活用!DXの概要や課題からクラウド選択の考え方を解説」をご覧ください。

メリット

ビジネスにおいてパブリッククラウドを利用することで、次のようなメリットが得られます。

  • コストの低減

複数の個人や他社と同じインフラのリソースを共有し、自社でサーバや回線を用意する必要がありません。また、多くのパブリッククラウドでは従量課金制を採用しています。業務量に応じた柔軟な利用が可能であり、必要な分のみのコストで済むようになります。

これらにより、リソースを専有するパブリッククラウドや自社のサーバでシステムを構築する従来のオンプレミスに比べ導入コストや運用コストを抑えられる可能性が高まるのです。

  • 拡張性や冗長性に優れ、柔軟な活用が実現

パブリッククラウドは必要に応じて柔軟な利用量の増減が可能なことは前述の通りです。そのため、突発的な利用量の増加や急な案件への対応が必要な場合も自社で回線やサーバを用意することなく、拡張することができます。

また、クラウドサービス提供事業者では、データセンターを各地に分散して保有しており、リスク分散が図れます。

  • 保守管理にかかる手間の軽減

OSのバージョンアップや定期的なメンテナンスはクラウドサービス提供事業者が行うため、自社で保守管理を行う必要がなく、システム保守管理担当者の負担が軽減されます。

デメリット

一方で、次のようなデメリットが生じる懸念があります。

  • 障害発生時に自社では対応できない

クラウドサービスが何らかの障害で止まってしまった場合、復旧するまでは基本的に自社では何もできず待つしかなくなってしまいます。

  • カスタマイズ性が低い

事業者が提供するサービスの範囲内でしかカスタマイズができないため、独自のシステム構築は困難です。また、導入済みのサービスと互換性がないことも考えられます。

  • セキュリティリスクがある

インフラのリソースを専有できるプライベートクラウドや自社のサーバを使うオンプレミスに比べ、サービスや扱い方によっては、セキュリティリスクが高くなる場合があります。

パブリッククラウドに潜むセキュリティリスク

前章でも触れたように、パブリッククラウドは閉ざされた専有のネットワーク網を使ったサービスではありません。そのため、プライベートクラウドやオンプレミスと比較するとセキュリティリスクは高くなります。

また、契約さえすればすぐに利用可能というメリットがある半面、利用者側である企業の設定ミスや漏れが起きやすい点に注意しなければなりません。基本的にはデフォルトの設定でも利用が可能なため、細かい設定が漏れてしまうリスクがあり、それを怠ってしまうと情報漏洩や改ざんのリスクが高まります。

例えば、AWSを利用する場合、各ホストのウイルス対策やホスト上の監視は利用者側で行わなくてはなりません。また、IDS/IPSの導入、APのセキュア設定なども利用者側で対応します。これらを怠ってしまうことで、さまざまなリスクにさらされてしまうのです。

つまり、多くの場合、利用者側である企業のセキュリティ管理の甘さ、セキュリティ教育不足がリスクを生み出してしまうといえます。

パブリッククラウドのセキュリティリスク軽減や効果的活用のポイントは?

適切に活用すれば大きな効果を発揮しますが、セキュリティリスク軽減や効果的な活用についてしっかりと把握したうえで対策を取らないと思ったような効果も得られません。そこで、セキュリティリスク軽減と効果的な活用を実現するための主な方法を紹介します。

  • 事前にサービス内容を理解する

クラウド提供側がどのようなサービスを提供しており、どこまで責任もって提供されるのか。自社で運用・保守すべき箇所はどこなのかを明確にしたうえで導入・移行を決定します。

  • パブリッククラウド活用時のルール策定

パブリッククラウドを活用する際の利用権限の設定、社外や自宅からアクセスする際のデバイスやネットワークのウイルス対策など活用ルールを策定します。

また、クラウド全般のセキュリティ対策については、「クラウドで必要なセキュリティ対策とは?概要や具体的な対策を紹介」をご覧ください。

  • マルチクラウドの活用

扱うデータやシステムに応じて複数のクラウドサービス提供事業者が提供するクラウドサービスを導入します。クラウドサービス提供事業者により、「大容量の画像や動画の管理が得意」「AIを簡単に構築できる」などの特性があります。それぞれの特性に応じた使い分けで、より効果的な活用が可能です。

マルチクラウドについてより詳しくは、「マルチクラウドとは?概要からハイブリッドクラウドとの違い、必要とされる背景まで解説」をご覧ください

  • セキュリティサービスの活用

外部のセキュリティサービスを活用するのもおすすめです。自社だけでセキュリティ対策を行うには限界もあるうえ、手間や時間もかかります。そこでセキュリティ対策に関しては、外部に依頼し、自社ではクラウドサービスの活用に集中することで、より高い成果が見込めるでしょう。

インフォメーション・ディベロプメントでは、提案から設計・構築・移行・運用までを一貫した体制かつ高度なセキュリティによってマルチクラウド実現するサービス、「ID-Cross」の提供を行っております。具体的な特徴は次のとおりです。

  • 迅速な設計・構築・移行

一般的に企業がクラウドサービス活用を検討する大きな理由は自社でサーバの構築をする手間や時間の軽減です。ID-Crossでは、長年の経験と豊富な運用実績から複雑な要件定義であっても迅速かつ高品質なサービスの提供が可能で、速やかなクラウド環境の導入・移行を実現します。

  • 専門知識を生かした高度なセキュリティ

クラウドサービスのセキュリティ対策は、専門的な知識が必要であり、専門部署でないと対応が困難なケースも少なくありません。ID-Crossでは、自社の課題や要望に応じ、セキュリティのスペシャリストが最適なセキュリティ環境の構築を実現します。

  • 月利用量の固定化

外部のサービスを活用する際、気になるのが想定外の支払いが発生するリスクです。しかし、ID-Crossは、クラウド利用料をクラウド運用と保守費用に含め、月額固定化を実現しています。

  • 業務に集中できる充実のサポート体制

ID-Crossでは、クラウドサービスの管理者アカウントを含めたすべての管理をフルマネージドサービスとして提供。そのため、トラブル時はもちろん、通常時でも保守管理を気にすることなく自社業務に集中できるようになり、生産性向上を可能にします。

ID-Crossについては詳しくは、「マルチクラウドサービス ID-Cross」をご覧ください。

パブリッククラウドの効果的な活用はマルチクラウドやセキュリティサービスの導入がポイント 

近年、DXに取り組むうえで、クラウドサービスの活用が欠かせなくなっています。パブリッククラウドは、コストを抑えつつスピーディーにクラウドサービスを取り入れるのに最適な方法のひとつです。手軽に利用できるメリットがありますが、安易な導入は避け、効果的な活用法を検討していかなければなりません。セキュリティ対策もしっかりと行わないと、情報漏洩や改ざんといったリスクが増加し、大きな損失を生み出してしまうかもしれません。

効果を最大限に発揮するためには、活用のメリットとデメリットを把握したうえで、適切なセキュリティ対策を行う必要があります。そこでおすすめは、マルチクラウドや外部のセキュリティサービスの活用です。

自社の業務プロセスを明確にし、複数のクラウドサービスを適切に組み合わせたうえで、セキュリティ対策として、外部の専門家に依頼します。これにより、情報漏洩や改ざんといったリスクの大幅な軽減が可能です。

インフォメーション・ディベロプメントでは、高度なセキュリティでマルチクラウドを実現するサービス、「ID-Cross」。そして、AWS活用を前提とした、「クラウド脆弱性診断サービス」や、「情報セキュリティ監査サービス」などさまざまなセキュリティサービスの提供を行っています。パブリッククラウドの活用を検討されている際は、ぜひご相談ください。

ソリューション|インフォメーション・ディベロプメント

 

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