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脅威インテリジェンスとは?その重要性や活用メリットなどを解説

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ID-Ashura/セキュリティサービス

サイバー攻撃は、さまざまな手法を用いて企業の業務環境を攻撃してきます。セキュリティ担当者は、それら脅威に対する新しい情報を常にキャッチし、セキュリティ対策を施さねばなりません。
 
しかし、サイバー攻撃とセキュリティ対策は“イタチごっこ”であり、担当者を悩ませます。そこで活用したいのが脅威インテリジェンスです。本記事では、脅威インテリジェンスとは何か、その目的や重要性を交えながら活用するメリットなどを解説します。

脅威インテリジェンスとは

脅威インテリジェンスとは、情報セキュリティの専門家が「どのようなセキュリティ対策をすべきか」について、意思決定に利用できる粒度まで整理・分析した、サイバーセキュリティに関する情報の総称です。

まずは、インテリジェンスが何であるかを、以下のように「データ」「インフォメーション」「インテリジェンス」の3つの構造でイメージするとわかりやすくなります。


  • データ:収集された無加工の情報
  • インフォメーション:データを収集して整理・加工した情報
  • インテリジェンス:インフォメーションを基に評価・分析をした情報

インテリジェンスとは、収集された無加工の情報が整理・加工されたインフォメーションになり、さらに評価・分析されたものです。インテリジェンスは意思決定をする基データとして扱えます。脅威インテリジェンスは、サイバー攻撃についてのデータが収集され、整理された情報の総称です。

脅威インテリジェンスの目的と重要性

脅威インテリジェンスは、自社などの組織にとってどのような脅威があるのかを認識すること、それらリスクに事前対処することが目的です。

たとえば、自社の業務環境にはどのようなリスクがあるのか、システムに脆弱性がないか、どのような攻撃者が自社を狙っているのか、どのような手法で攻撃される可能性があるのかなど、事前に知ることができます。

事前に有効なセキュリティ対策をすることで、サイバー攻撃による情報漏えいやデータの破壊を防ぐことができたり、脅威を特定できるといった重要な役割を果たします。脅威インテリジェンスは、自社をサイバー攻撃から守るための重要な情報だといえます。


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脅威インテリジェンスを活用するメリット

脅威インテリジェンスを活用することで、企業はどのような情報セキュリティを施すべきかの意思決定がしやすくなります。また、従来のセキュリティ対策で見逃されていた、高度なサイバー攻撃を防御・検知できるようになります。ここでは、その具体的なメリットをみていきましょう。

多くの脅威を予測できる

サイバー攻撃には多くの手法があります。また、新しい手法も次々に生み出されている状況です。

たとえば、特定の個人や組織を狙う標準型攻撃や、マルウェアに感染することでPCなどのデバイスが暗号化されて利用できなくなり、その復旧と引き換えに身代金を要求するといったランサムウェアがあります。これは、近年流行っているマルウェアの一種です。

これらすべての脅威に対処するのは不可能といってもよいでしょう。しかし、脅威インテリジェンスを活用すれば、過去のサイバー攻撃はもちろん、最新の手法や攻撃者なども把握でき、多くの脅威に対するセキュリティ対策が可能になるのです。

攻撃者や手法を特定できる

脅威インテリジェンスで、サイバー攻撃の攻撃者や、攻撃パターンを分析した情報が確認でき、攻撃者やその手法が特定できます。

これらがわかることで、攻撃者が狙ってきそうな脆弱性を強化したり、攻撃パターンを防ぐためのセキュリティを施したりして、事前に対策ができるようになります。

事前対応で被害を最小限にできる

最新のサイバー攻撃手法や攻撃者などの情報確認も可能です。そのため、仮にサイバー攻撃を受けた場合でも、その手法や攻撃者の特徴を知っているため、被害を最小限に食い止めることが可能です。

企業の資産である情報を守れることや、システムのダウンタイムを最小限に抑えることもできるでしょう。脅威インテリジェンスは、事前のセキュリティ対策だけではなく、攻撃を受けた事後の対応に関する情報としても役立ちます 。

情報共有に役立つ

脅威インテリジェンスを社内全体で活用することで、サイバー攻撃に対する危機感を持てるようになります。また、サイバー攻撃を受けないように気をつける意識や、受けた後の対処もスムーズになるでしょう。

脅威インテリジェンスの分類

脅威インテリジェンスには、大きく3つに分類されます。それぞれの分類は、分析レベルが異なります。ここでは、3つの分類を簡単にみていきましょう。

戦術的インテリジェンス

一般的には、会社の役員や取締役など、技術者以外の方でもサイバー攻撃の動向がわかるような脅威データの分析レベルです。

業種や国家に対して、どのようなサイバー攻撃があり、その攻撃者が誰なのか、また、ウイルスやマルウェアなどを含めた脅威がわかりやすくまとめてあります。主に、意思決定に関わるものをまとめたものです。
これら情報は、ホワイトペーパーやレポートなどで誰もが閲覧・アクセスできます。

運用インテリジェンス

過去のサイバー攻撃を分析し、攻撃者やその目的、手法などについての結果を提供しています。

これらの情報は、脅威に対するリスク評価やインシデント時の対応などを決定できる要素になり得ます。新たなサイバー攻撃の手法が出現した情報などもわかるので、運用しながら最新のセキュリティ対策を決定する場合などに使えます。

戦略的インテリジェンス

今後のサイバー攻撃を想定して、セキュリティ対策を講じるための情報です。主に、専門技術者を対象にした情報となります。
情報には、マルウェアのハッシュ値や悪意のあるドメイン、攻撃元のIPアドレスなどが含まれています。


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脅威インテリジェンスのプロセス

脅威インテリジェンスが生成されるには、データの収集から分析まで、さまざまな過程があります。
ここでは、活用する脅威インテリジェンスが一般的にどのような方法で作られているのか、その大まかなプロセスをみていきましょう。
プロセス 概要
目標の明確化
  • 目標を明確に設定する
  • 攻撃者の特定、動機の特定、具体的な手法を特定、対策の検討など
データの収集
  • 目標に必要なデータを収集
  • サイバー攻撃の一般的な情報、トラフィック、サイバーセキュリティ組織からの情報収集、インタビューなど
データ処理
  • さまざまな形式で収集された脅威データを分析できる形式に処理(数値の羅列や文章、手書きのインタビュー回答などのデータを統一)
  • 収集したデータが信頼できるものであるかの事実確認
データ分析
  • 処理されたデータを分析する
  • 分析データが脅威インテリジェンスとなり、意思決定を大きく左右する情報になる
インテリジェンスレポートの共有・提供
  • レポート化する
  • レポートを、組織やステークホルダーに提供する

脅威インテリジェンスを活用して脅威を事前に防ごう

脅威インテリジェンスを活用することで、自社などの組織における身近な脅威に対応しやすくなります。
 
サイバー攻撃の古い手法だけでなく最新の手法についても対処できますし、攻撃者やその意図などを考慮した対策が可能です。脅威インテリジェンスを作成するリソースは膨大ですので、自社だけで作成することが難しい企業も多いでしょう。

ご興味がある方は、弊社にお気軽にお問い合わせください。

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