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竹内 博信
※2025年10月時点で得られた情報となっています。
ManageEngineの概要
IT運用管理ソフトの製品群のブランド名で、1996年にアドベントネット社により開発・販売が開始されました。2004年には国内の主力製品「ManageEngine OpManager」の販売を開始し、IT運用管理市場に本格的に参入しました。現在、ManageEngineは世界28万以上の組織で利用されており、手頃な価格と豊富な機能を両立したIT管理ソリューションを提供しています。日本市場においてもゾーホージャパン株式会社を通じて、様々な規模の企業に製品を展開しています。ManageEngineの主な製品
主要な製品として、ネットワーク監視の「OpManager」、ITサービス管理の「ServiceDesk Plus」、特権ID管理の「Password Manager Pro」、統合エンドポイント管理の「Desktop Central」、Active Directoryを管理・自動化する「ADManager Plus」、ログ管理・SIEMの「Log360」などが挙げられます。ManageEngineの主な特長
主な特長として、容易な構築:10,000以上のデバイステンプレートを搭載し、最短10分での運用が開始可能
運用管理の統合:ネットワーク・アプリケーション・サーバ監視を単一のコンソールで管理可能
業務工数の削減:レポート作成、ITIL準拠の管理プロセスを自動化することで運用担当者の負担を軽減
などが挙げられます。
支持される理由
・優れたコストパフォーマンス:手頃な価格帯が設定され、コストパフォーマンスが高いと評価・多機能なオールインワンサービス:営業、会計、人事、顧客サポートの業務をカバーするアプリを提供
・高いカスタマイズ性:自社の業務プロセスに合わせて必要な機能を選択・カスタマイズが可能
・グローバルな実績と信頼性:グローバル1億人のユーザーが利用、多くの企業に選ばれている実績
などが挙げられます。
導入時のプロセス
各ツール導入時は以下のようなプロセスで進行します。| フェーズ | 具体のタスク |
| 現状把握 | お客様の組織の把握 |
| アセスメント | 組織における現況の評価 |
| 要件定義 | ビジネスの現況に即した要件設計 |
| 設計 | 管理者とユーザーの機能の分類などを考慮 |
| 設定 | 前フェーズで確定した要件での設定 |
| テスト運用 | 限られたユーザー・条件で耐久テスト、など |
| 運用開始・チューニング | 運用後の微調整・カスタマイズ |
導入のメリット
ManageEngine各製品は分かり易いGUIにおける直感的な操作で、セキュリティやネットワークの高度なサービスを担当者が即時対応可能、複雑で手間がかかる管理業務の工数の削減が可能になります。追加された機能・今後の予定
主たる製品の今後の追加機能・拡張は以下のようなものが考えられます。ServiceDesk Plus
主な機能:インシデント・サービス要求管理:、問題・変更・リリース管理、IT資産管理、CMDB(構成管理データベース) 、ナレッジ管理、レポート・分析など挙げられます。直近の追加機能・今後の拡張予測
- AI機能の強化:生成AIの埋め込み: コンテキストを理解した複数ターンの会話や、ワークフローの自動生成など、より高度な生成AI機能がServiceDesk Plusに統合されます。
- タスクの自動化: AIと機械学習を活用して、タスクの簡素化や生産性向上を支援する機能が導入されます。2025年の「AIアプリケーション for ITSM」でGartner社のMagic Quadrantに初めて選出されたことからも、ServiceDesk PlusがAIの取り組みを強化していることがわかります。
- クラウド版の強化:新しいオンボーディングUI: 新規ユーザー向けのオンボーディングプロセスが刷新され、より直感的でガイド付きのセットアップが可能です。
- 情報共有の効率化: 2025年4月のアップデートでは、アナウンスのフォロー機能やコメント機能が追加され、ダッシュボード機能も拡充されました。
- 他のManageEngine製品との連携強化: EventLog Analyzerなどの他製品との連携がさらに強化され、システム運用の可視性が向上します。
- ワークフローの文字数増加: 2025年9月には、変更およびリリースのワークフローにおける「フィールド更新ノード」の説明欄で入力できる文字数が5000文字に増えました。
- 今後のロードマップ: クラウド版とオンプレミス版の両方で機能の一貫性を維持しつつ、それぞれの環境の利点を活かす開発が進められる見込みです。
Password Manager Pro
主な機能:特権アカウントのログイン情報や認証キー(パスワード、デジタル証明書、SSHキーなど)を一元管理できます。 認証情報は保管システムで暗号化され、特権アカウントへのアクセスは厳格に制御・監視されます。
直近の追加機能・今後の拡張予測:
- AI・機械学習の活用: 不正アクセスを検知したり、ユーザー行動を分析してセキュリティリスクを予測したりする機能に、AIや機械学習が導入される可能性があります。
- クラウド対応の強化: クラウドサービスの普及に対応するため、Google WorkspaceやAzure ADといったクラウドサービスとの連携機能がさらに強化されるでしょう。
Auth 2.0への対応: 最新のビルドでは、より安全な認証方式であるOAuth 2.0がサポートされており、今後も認証プロトコルへの対応は進んでいきます。 - 使いやすさの向上: ブラウザ拡張機能の改良など、ユーザーがより便利に使えるよう、利便性向上のためのアップデートが継続的に行われています。
EventLog Analyzer
主な機能:ログの一元管理、レポートと分析、リアルタイムな監視とアラートが主たる機能です。具体的には、WindowsやUnixサーバー、ネットワーク機器、アプリケーションなど多様なソースからログを収集し、それらをグラフやレポートで分析します。また、設定した条件に基づいたアラート通知や、コンプライアンス対応のためのレポート生成も可能です。
直近の追加機能・今後の拡張予測
- より高度なセキュリティ分析: AI/機械学習を活用した脅威検知・対応機能が強化されます。Log360のロードマップでは、セキュリティハブ構想として、高度なセキュリティツールの統合やコンテキストに基づいた脅威検知の高度化が挙げられています。
- 統合とオーケストレーションの強化: セキュリティツールとLog360プラットフォームの統合が進められ、より多くのサードパーティ製品(Sophos Central、Microsoft Defender、CrowdStrikeなど)との連携が強化されます。これにより、複雑な脅威の自動検知と修復が可能になります。
- クラウド連携の強化: クラウド環境のログ収集・分析機能がさらに充実します。2025年1月には、AWS S3ログ収集の不具合が修正され、クラウド環境への対応が継続的に強化されていることが示されています。Log360 Cloudのロードマップも公開されており、クラウドセキュリティへの注力が見受けられます。
- スケーラブルなアーキテクチャの導入: 2025年7月のリリースでは、今後のスケーラブルなアーキテクチャに向けたバックエンドとデータ構造の強化が行われています。これにより、大規模環境でのパフォーマンスと信頼性の向上が期待されます。
ADAudit Plus
主な機能:Active Directory、ファイルサーバー、Windowsサーバーなどのログを収集・可視化し、リアルタイムアラートや200種類以上のレポートで監査を行います。これにより、不正アクセスやセキュリティリスクの早期発見、コンプライアンス対応、IT資産の効率的な管理を支援します。機械学習によるユーザー行動分析(UBA)機能も搭載しており、異常なアクティビティを検知します。
直近の追加機能・今後の拡張予測
- 攻撃対象領域の分析: ADの一般的な攻撃(パス・ザ・ハッシュ、ゴールデンチケットなど)を検出し、修復する機能が強化されます。
- セキュリティ脅威の拡張:新たなセキュリティ脅威に対する検出・分析機能が強化される見込みです。
- クラウド環境のサポート拡大:オンプレミスのActive Directoryに加えて、クラウドサービスの監査機能も強化される見通しです。
- クラウド全体での可視性: Azure、AWS、GCPなどのクラウドサービス全体で、セキュリティリスクを特定し、修復措置を迅速に開始できるようになります。
- 統合機能の強化:他システムとの連携がさらに強化され、運用管理の効率化が図られます(ITSMプラットフォーム連携: Critical ADイベントのチケット生成を最適化するため、ZendeskやManageEngine ServiceDesk Plusなど、より多くのITSMプラットフォームとの連携が強化されます)
- Webhookとワークフロー自動化: ウェブフック連携やワークフロー自動化など、アラートアクションのオプションが追加されます。
- モバイルアプリケーション: ADAudit Plusのモバイルアプリが提供される可能性があります。
ADManager Plus
主な機能:Active Directory(AD)とOffice 365のユーザー、コンピューター、グループなどの管理を効率化します。具体的な機能には、テンプレートを使ったアカウントの作成・変更・削除の自動化、パスワードリセットやロック解除などの日常業務の自動化、そしてファイルサーバーへのアクセス権限の一括管理などがあります。さらに、ユーザーアカウントの作成プロセスをワークフロー化して承認プロセスを効率化することも可能です。
直近の追加機能・今後の拡張予測
- AI機能(Zia)の強化(AIチャットアシスタントの追加):自然言語でActive Directory (AD) の管理タスクの実行やレポート作成を支援する、AIを活用した新しいアシスタント「Zia」が導入されます。
AIによるグループメンバーシップ分析: グループメンバーシップの異常検出、特権グループの特定、ピア比較スコアの提供など、AIを活用した分析機能が提供されます。 - バックアップとリカバリー機能の強化(オブジェクトのロールバック機能):特定時点のADおよびEntra ID(旧Azure AD)のオブジェクトにロールバックできる機能が追加されます。これにより、変更の取り消しやデータの復旧が容易になります。
- BitLocker回復キーの取得:ADに参加しているコンピューターのBitLocker回復キーを専用インターフェースから簡単に取得できるようになります。
- 統合機能の拡充:アプリケーション統合の強化: ライフサイクル管理のためのネイティブサポート対象アプリケーションが50以上追加される見通しです。
- REST APIの機能強化:REST API経由でコンピューター、グループ、OUの変更や、オーケストレーションテンプレートの取得・実行ができるようになります。
- リスク指標の追加:2025年6月には、ユーザー、コンピューター、セキュリティ関連の34種類の新しいリスク指標が追加され、アイデンティティリスク評価機能が強化されました。
- 職務分掌:2025年6月時点でロードマップに記載されており、セキュリティ脆弱性につながる可能性のある、権限の衝突を特定して防止する機能が予定されています。
Endpoint Central
主な機能:パッチ管理、インベントリ管理、ソフトウェア配布、リモートコントロール、モバイルデバイス管理(MDM)、端末設定の管理などです。これらの機能により、IT資産を一元管理し、運用の効率化、セキュリティ強化、およびIT管理者の負担軽減を図ることが可能です。
直近の追加機能・今後の拡張予測
- AIベースの予測分析:エンドポイントのパフォーマンスに関するテレメトリデータをAIで分析し、潜在的な問題を事前に予測します。
- 自動修復機能の強化:問題を自動的に修復するセルフヒーリング機能をさらに改善します。
- セキュリティ機能の強化:エンドポイントセキュリティ機能も継続的に強化されており、すでに一部の機能が追加・発表されています。
- NGAV(次世代アンチウイルス)機能:AIベースのマルウェア対策機能がEndpoint Central Cloudにアーリーアクセス版として追加されています。
OpManager
主な機能:ネットワーク機器(ルーター、スイッチなど)、サーバー(物理、仮想、クラウド)、およびサービスを統合的に監視する機能が挙げられます。
直近の追加機能・今後の拡張予測:
- クラウド環境への対応強化:2025年9月には、ハイブリッドクラウド環境をマップで可視化して統合監視する機能が発表されています。
- 機能と監視項目の拡充:2025年1月には、URL監視にAPM(Application Performance Management)プラグインによる「SSL/TLS証明書監視」オプションが追加されています。
当社コンサルタントの経歴・強み
当社ではManage Engine製品の設計・導入の経験が豊富なコンサルタントが多数在籍しています。当社コンサルタントの主な経歴を紹介させて頂きます。
コンサルタント(例):Manage Engine製品に関する主な略歴
| 担当業種 | 製造業(自動車)、鉄道、通信(モバイルキャリア) |
| 標準工数 | 1ツールにつき2~4か月間 |
| 担当領域 | アセスメント・設計・導入(設定)・運用時のアドバイス |
| 業務の妙味 | 現状の組織にツールが導入後された場合の実際の運用シーンをイメージして権限を企画・設計して提案、実際にツールが業務に役立っていることが把握できた際に達成感 |
| メッセージ | 培った経験をベースにお客様の要件に沿った内容で確実に企画~運用までサポートしてまいります |
アカウント・ログ管理ツール導入の際に求められることはツールの機能だけでなく、お客様のビジネスの内容(モデル・規模)や組織構造の理解(システム管理部門が幅広い権限を持っている、あるいは最低限の権限のみ所持していてビジネスを推進しているシステム所管部が権限を持っている)を総合的に勘案するスキルを保有していることが理想です。
当社コンサルタントは様々な業種・導入シーンに携わり、導入後の運用フェーズを伴走することでスキルを培ってまいりました。これらは一つの事業体・組織に属していただけでは得られない稀有なスキルであり、当社の強みであると言えます。
まとめ
ManageEngine製品シリーズは今後も機能の充実・拡張性が見込まれています。未導入企業の担当者の方はITマネジメントの中長期計画を立案する際、同製品の導入を検討してみてはいかがでしょうか。当社では製品導入に際し、IT戦略立案から導入時の設計・導入後の運用までサポートしています。参照URL
https://www.zoho.com/jp/crm/whats-new/release-notes.htmlhttps://www.manageengine.com/products/service-desk/on-premises/readme-new.html